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2025年10月22日(水)

将棋新人王戦 斎藤六段勝ち最終局へ

序盤から優位奪い混戦制す

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(写真)対局後に検討する斎藤明日斗六段(左)と服部慎一郎七段。奥中央は立会人の松尾歩八段=21日、東京都渋谷区の将棋会館

 服部慎一郎七段(26)と斎藤明日斗六段(27)との対戦となった、将棋の第56期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負の第2局が21日、東京都渋谷区の東京・将棋会館で行われ、斎藤六段が126手で勝ち、1勝1敗としました。

 決着局となる第3局は、27日に同所で行われます。

 第1局と先後を入れ替え、服部七段の先手となりました。

 戦型は、服部七段の予定していた相掛かりとなりましたが、それに対して16手目☖6二玉が斎藤六段の用意の作戦で、22手目の☖8二飛とあわせて立会人の松尾歩八段は「珍しいですが、斎藤六段は研究していたようでした」といいます。

 その後40手目の☖2七歩で本格的な戦いに突入しました。その☖2七歩から☖3六角の手順がうまい手順で、斎藤六段がペースを握りました。対して服部七段は☗5五角~☗4八桂と「苦心の対応」(松尾八段)。斎藤六段はその対応にもうまく切り返し、リードを広げました。

 それから服部七段は斎藤六段に決め手を与えないようにていねいに受け、チャンスをうかがう展開。一方の斎藤六段としてもリードはしているもののはっきりとはせず、簡単ではない時間が続きます。

 77手目☗4五桂~☗5六香と服部七段が反撃に出て難しい終盤戦に入りました。87手目の☗6六桂では☗4六桂も検討され、難しいですが先手有力だった可能性もあったようです。

 103手目の☗4四馬の場面ではかえて☗3六桂が有力で、難しいものの先手玉もなかなか詰まず、先手勝ちの可能性もあったようです。

 松尾八段は「斎藤六段は、行き届いた研究でリードをつくり、途中危ない場面もありましたが最後は着地を決めました。服部七段は、リードを奪われても相手に決め手を与えない粘り強い指し回しを見せ、最後に一瞬チャンスをつくったのはさすがでした」と本局をまとめました。

 斎藤六段は局後のインタビューで、「第1局が内容が悪かったので、なんとかいい勝負にして3局目につなげられたらいいなと思っていたので、結果が幸いしてよかったなと思っております」と述べました。

 服部七段は「序盤から押されている時間が長く、苦しい時間が長かったように思います」と本局を振り返りました。

 服部七段は七段昇段により、斎藤六段は27歳になったことにより、いずれも今期が最後の新人王戦となります。服部七段は「2局目は早い段階でバランスを崩してしまったので、3局目はいい将棋を指せればなと思っています」、斎藤六段は「いい内容の将棋を指せたらと思っていますし、次の第3局も日がすごく近いので、悔いのないようにしっかり準備して臨みたいなと思っております」とそれぞれ、第3局へ向けての意気込みを語りました。

棋譜


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