2025年10月21日(火)
きょうの潮流
あの日、「世の中は動く」ことを実感したそうです。1人の力では無理だけど、その力が重なればできると。プロボクシングの元世界チャンピオン、浜田剛史(つよし)さんです▼沖縄で生まれ育ち、父親が米軍基地のある普天間でビジネスホテルを経営。客の9割が米兵で、街中では米兵の事件が頻発していました。フロントにいた母親が銃を突きつけられ金を奪われたことも。そんな姿を幼い頃から見てきました▼上京し内地の人たちは沖縄のことを知らされていないと感じてきましたが、あの集会によって多くの人びとが実情を知ったといいます。8万5千人が声をあげた1995年10月21日の「県民総決起大会」です▼沖縄では同年9月に米兵3人が女子小学生をさらって暴行する事件が起きていました。県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦に続き、戦後も米軍が居座る中でくり返されてきた米兵の犯罪に怒りは爆発、叫びは列島にこだましました▼米軍基地の整理・縮小や日米地位協定の見直しを求めるうねりは両政府に衝撃を与え、普天間基地の返還合意へとつなげました。しかしそれは辺野古への新基地建設となり、アメリカいいなりの自民党政権によって残り続け、米兵による性暴力も後を絶ちません▼幾度となく押し寄せる悲しみの波はいつになればやむのか。昨年12月、米兵による少女暴行に抗議する県民大会に登壇した中高生は、30年前の高校生代表と同じ言葉で訴えました。「軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください」








