2025年10月19日(日)
きょうの潮流
「一緒にやっていくなんて不可能に決まってますよ」。先の総選挙、日本維新の会はそんな主張を発信していました。自民党の政治とカネの向き合い方について「裏切りだらけ」とまで▼吉村代表も昨年、与党入りしたら維新は消滅する、存在意義がなくなると発言。政策実現のために与党入りする必要はないと強調していたのに、これぞ二枚舌か。高市・自民党と維新が連立協議で基本的な合意に達したといいます▼しかも、リスクを負ってでも日本のために挑戦するべきだと吉村代表が持ち出したのは議員定数の削減でした。あれだけ批判していた裏金政治ではなく、民意を乱暴にきりすてる選挙制度の改悪を連立の「絶対条件」にするとは▼国政選挙で国民の多くからノーを突きつけられた問題と、争点にもなっていないことをあからさまにすり替える。そこまでして手を組みたいのか。もっとも維新を「第2自民党」と位置づけた元代表がいたぐらいですから、さもありなん▼首相になるためあらゆる手を尽くすという高市総裁もなりふり構わぬ多数派工作を。維新や国民民主に触手を伸ばしたかと思ったら、参政党やN国党の議員らも取り込もうと躍起です。極右やデマ・中傷をくり返す勢力の抱き込みは、ますますこの国を危険な方向へと▼これまで自民党と連立を組んだ政党はことごとく哀れな末路をたどってきました。それはただ自民党政治を引き延ばすだけの存在だったからです。本気の挑戦をいうならば、それに変わる政治こそ。








