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2025年10月18日(土)

定数削減 維新、最悪の党利党略

企業団体献金禁止棚上げ 連立入りへ問題すり替え

 日本維新の会が自民党との連立を視野に入れた政策協議の中で、「政治改革」の課題として「国会議員の1割を目標に削減」すると打ち出し、吉村洋文代表は「(議員定数の)大幅削減が受け入れられなければ連立を組むことはできない」などと言い出しています。最悪の党利党略です。

 7月の参院選で自公両党が過半数割れに追い込まれた最大の争点の一つが、裏金事件の解明と「企業・団体献金の禁止」でした。自民党は一貫してこれらに背を向けてきましたが、維新は「企業・団体献金の禁止」を言ってきました。いま維新が自民党との「連立」協議を進めるにあたり「企業・団体献金の禁止」を掲げてはいます。そうであるなら、疑惑解明と企業・団体献金禁止での一致は不可欠のはずです。維新の藤田文武共同代表は野党間の連携協議では「基本政策の一致が不可欠」だとさんざん繰り返してきました。

 ところが自民党との連立協議となると、自民が「企業・団体献金の禁止」を受け入れる可能性は現状では全くありません。にもかかわらず、連立協議を進めるために、論点を「企業・団体献金の禁止」から「議員定数の削減」にずらして棚上げし、自民党の責任逃れに手を貸そうとしているのです。しかも21日召集の臨時国会で定数削減を実現するとまで言い出しています。

 いま衆院では各会派の代表で構成する「衆議院選挙制度に関する協議会」で、「議員定数や地域の実情を反映した選挙区割りの在り方等」について協議を続けています。同協議会の逢沢一郎座長(自民党選挙制度調査会長)は16日夜、自身のXで「いま与野党で議員定数を含めて、あるべき選挙制度を議論中の状況で、自民・維新でいきなり定数削減は論外だ」と批判しました。選挙制度は、民主政治の基本的土台であり、少数会派を含め全ての党派が議論に参加し論点を詰めるべきものです。自民と維新の党略的な合意を一方的に優先させることなど絶対に許されません。

 そもそも「議員定数削減」には議会制民主主義にとって重大な問題が含まれます。

 国会議員は、憲法でも「全国民を代表する」(43条)と定められるとおり、その地位は、民意を国政に反映するという国民主権に直結する重要な役割を負っています。議員定数の削減は「民意の切り捨て」につながる民主主義の重大問題なのです。

 「身を切る改革」などと喧伝(けんでん)し、定数削減で個々の議員が不利益を甘受するかのような議論は、議員の地位を個人の所有物のように扱い、問題の本質を完全にすり替えるものです。自民党の逢沢氏もXで「身を切る改革イコール、議員定数削減ではない。現行制度で定数削減となると、大阪、東京ではなく(人口の少ない)地方の定数がさらに少なくなる」と指摘しています。

 議員定数を1割削っても国家財政に与える影響は微少なうえ、「国民が苦しんでいるから政治家も苦しむべきだ」という議論は、国会議員が負っている責務に照らせば意味を持たないものです。もし維新や自民が本当に「身を切る」というなら、赤ちゃんも含め国民1人あたり250円ずつ徴収し、思想信条の自由を侵害している憲法違反の政党助成金こそ廃止すべきです。ところが、両党は決してそこには踏み込みません。

 しかも吉村氏は、比例代表には復活当選の仕組みがあることを理由に、定数削減するなら「ここ(比例代表)じゃないか」(17日のフジテレビ番組)などと述べています。小選挙区制と比例代表制が並立する現在の衆院の選挙制度は、小選挙区が「民意を集約」し、比例代表区が「民意を反映」するというもの。比例定数の削減は、まさに民意を切り捨てるもので、大政党を一層有利にし、少数政党を議会から締め出すもの。多様な民意の反映をさらに困難にします。「議員定数削減で連立合意」という維新と自民の動きに厳しい批判が必要です。(中祖寅一)


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