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2025年10月7日(火)

ガザと世界 2年

続く攻撃 6.7万人超犠牲

社会・経済・生活の基盤崩壊

 【イスタンブール=米沢博史】イスラエル軍がパレスチナ・ガザ地区への大規模侵攻を始めてから7日で2年。攻撃と封鎖を今もやめず、国連調査委員会も認定したジェノサイド(集団殺害)を続け、死傷者を日ごとに増やしています。

 ガザ保健当局によると、病院で確認された死者は少なくとも6万7000人以上、行方不明者は9500人以上、負傷者は16万9000人を超えました。

 パレスチナ行方不明・強制失踪者センターのガジ・マジダラウィ事務局長は5日、本紙の取材に対し、「救急隊への攻撃や妨害で何百もの現場に到達できず、約1万人ががれきの下や(イスラエル軍の)制圧した地域に取り残されている。救助に必要な機材も尽きた」と訴えました。

 イスラエル軍は最近6週間、とくに北部のガザ市で激しい軍事作戦を続けています。同事務局長は「家族まるごと消息が途絶える、がれきの下に家族を残して避難せざるを得ないなどの悲劇が多発している」と話しました。

 イスラエル軍はガザ地区の約8割を直接の制圧下におきました。避難先として指定した南部の「人道安全地帯」も136回攻撃し、2605人を殺害。住民に逃げ場はありません。

 イスラエルは他方、人道支援トラック12万台以上のガザ入りを拒否してきました。結果、少なくとも460人が餓死しました。うち154人は子どもです。

 ガザ地区の住民はおよそ210万人です。子ども65万人、慢性疾患患者35万人、妊産婦10万7000人が命の危機にあります。劣悪な衛生環境のもと、避難生活で発生した感染症は214万件に上ります。ガザ地区の外で治療を必要とする2万2000人以上の傷病者も、イスラエルが地区外移動を禁じています。

 イスラエル軍は爆発物20万トン以上を投下し、同地区の約9割を破壊。少なくとも病院・医療センター136施設を破壊し、住宅41万8000棟以上を全壊または居住不能にしました。農地の94%を破壊し、漁業も壊滅させました。攻撃で社会・経済・生活の基盤が崩壊しています。ガザ当局は損失を700億ドル(約10兆5000億円)と試算しています。


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