2025年10月6日(月)
核廃絶と救済求める
世界核被害者フォーラムで証言
広島
![]() (写真)長崎原爆「ファットマン」を模した作品(右)が置かれた舞台で「黒い雨」被害について報告する高野さん(左から2人目)=5日、広島市内 |
被爆80年、核被害者の実体験を訴え、核被害者救済と権利確立を目指し、核廃絶に向けた世界核被害者フォーラムが5日、広島市内で始まりました。韓国の被爆者や広島「黒い雨」被害者、長崎「被爆体験者」をはじめウラン採掘などに関わったグローバルヒバクシャ、研究者らが報告し、救済や根絶への指針を示すことにしています。
同フォーラムは6日までの2日間。主催は核兵器廃絶をめざすヒロシマの会と核の無い世界のためのマンハッタン・プロジェクト。呼びかけ団体は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)です。
開会あいさつで「ヒロシマの会」の森瀧春子共同代表は、被爆者のたたかいに学び、隠された「核の闇」を明らかにし、核の権力に対し、連帯して打ち勝とうと呼びかけました。
広島・長崎原爆被爆のセッションで、広島「黒い雨」第1次訴訟の高野正明原告団長が、原爆投下の放射性微粒子をおびた「黒い雨」の健康被害を問うた裁判の経過を報告。現在新たに84人が第2次訴訟でたたかっていると紹介しました。
長崎「被爆体験者」訴訟の岩永千代子原告団長はビデオメッセージで、健康被害にあいながらも被爆者と認められないと発言。広島での対応と差別せず、国は被爆者と認めるべきだと訴えました。
韓国原爆被害者協会の李圭烈(イ・ギュヨル)会長は、日本の植民地支配による徴用や差別の中で被爆し、朝鮮半島に戻っても、病気や差別など幾重にも苦しんだと告発。謝罪と補償、2世、3世の救済をと訴えました。
このほか、韓国人被爆者の実態調査や、日本の被爆2世の裁判の報告、鎌田七男広島大学名誉教授が被爆者の多重がんの発症率などについて報告しました。
日本被団協のメッセージ代読で、核兵器廃絶と原爆被害の国家補償の実現を訴え、ともに核兵器も戦争もない平和な世界をつくろうと呼びかけられました。









