2025年10月3日(金)
議員側と「不記載」確認
裏金公判 旧安倍派経理が証言
東京地裁
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自民党旧安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元参院議員の大野泰正被告(66)らの公判が2日、東京地裁(福家康史裁判長)であり、証人として出廷した同派元経理担当者の女性が、議員側から裏金にする資金の処理方法を聞かれた場合は、政治資金収支報告書に記載しないように伝えていたと証言しました。
旧安倍派では、所属議員に政治資金パーティー券の販売ノルマを与え、ノルマ超過分を議員側に還流(返金)する形で“裏金化”していました。
元経理担当者の女性は2006年ごろから24年3月末まで同派の事務局に勤務し、収支報告書の作成・提出などの業務を任せられていました。その間の会長は、町村信孝元外相、細田博之元官房長官、安倍晋三元首相が務めました。
この女性は所属議員のノルマや還流する金額について、事務局で作った一覧表をもとに「事務局長が会長と相談して決めていた」と証言しました。
銀行口座から引き出した現金を封筒に入れ、議員名を書いた付箋(ふせん)を貼り、準備ができた段階で各議員の事務所に「返金の準備が整いました」と連絡していました。
現金を手渡す際は、議員の秘書などに「お互いの収支報告書には載せない」と説明するなど「毎回ではないが、聞かれたら答えることがあった」といいます。
議員側と同派の事務局が相互に確認していた理由について、議員側と事務局で記載と不記載の「齟齬(そご)が出ないようにしたかった」と述べました。政治資金規正法に違反する行為の“口裏あわせ”をした形です。
一連の作業は「これまでの事務所の手法と上司の指示でやっていた」と明かしました。
領収書を受け取らない理由も「収支報告書に載せないからだ」と話し、本来は議員側の自民党支部や政治団体への「寄付として処理するべきだった」との認識を示しました。
大野被告は、18~22年分の収支報告書に計約5100万円を記載しなかったとして在宅起訴され、9月から公判が始まっています。









