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2025年10月1日(水)

地方国立大に値上げの波

署名やアンケートで学生ら強行反対活動

 2026年4月以降に入学する学生に対し、国立大学で学費値上げの決定や説明会が相次いでいます。値上げ反対と国の大学予算増額を求めて学生が声をあげています。

 名古屋工業大学は26日、学部生の授業料を約11万円上げ、年64万2960円にすると発表しました。首都圏以外の国立大学での値上げ決定は初めて。同大は国の運営費交付金の減少や物価上昇などにより「設備の更新や教職員の人員確保が難し」くなったとし、国に予算措置への支援を求めています。

 埼玉大学も同日、学長が、学生に同額の値上げを説明しました。同大では学生らが「学費値上げ問題を考える有志の会」や「学費値上げ強行に怒れる学生協議会」をつくり、値上げ強行に反対の声をあげ、署名やアンケートに取り組んできました。

 説明会は、多くの学生が授業を受けている時間に行われ、対象は在校生に限られました。大学側は財務状況が極めて厳しく値上げは待ったなしだと説明しました。

 出席した工学部4年の学生は「会で集めたアンケートなどで出た地方大学の役割についての学生の意見に応えるものではなかった」と指摘しました。拙速な議論をやめ、多くの学生が参加できる時間帯で再度の説明会を開催するよう求めていくとしています。

 山口大学は25日、10月末をめどに値上げ額を決めるという学長メッセージを公表し、意見を募集し始めました。在学生向けの説明会(オンライン併用)を8日に予定。開催場所は学生の半数以上が通うキャンパスから公共交通で2時間かかるうえ、わずか30分の開催です。人文学部4年の学生(22)は「一方的な説明になる」と疑問を示し、「学費が払えず退学する学生がいます。今以上の負担をする余裕はない。力を合わせて値上げ反対の声をあげたい」と話しています。


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