しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年9月28日(日)

真の安全 核廃絶でこそ

国連会合 保有国への批判次々

 【ニューヨーク=柴田菜央】ニューヨークの国連本部で26日、核兵器全面廃絶国際デーを記念するハイレベル会合が開かれました。グテレス国連事務総長は「世界は無自覚なままに、より複雑かつ予測不可能で、より危険な新たな核軍拡競争に陥っている」と警鐘を鳴らしました。各国から核兵器の増強や近代化を進める核保有国を批判し、核兵器禁止条約への参加を呼びかける声が相次ぎました。

 ベーアボック国連総会議長は、核使用につながる誤算のリスクは戦後最も高まっており、テロリズムや人工知能(AI)により「人間の抑制も利かなくなっている」と警告。「永続する安全は、増え続ける武器ではなく、核軍縮・核不拡散、そして核廃絶によって達成される」として、核のない世界の実現を呼びかけました。

 サモアは「大量破壊兵器が存在するもとで真の安全を築くことはできない」と強調。「核兵器を私たちの未来への脅威ではなく、歴史へ追いやるため決意を新たにしよう」と述べ、核兵器禁止条約への参加を呼びかけました。

 インドネシアは、現在も世界で1万2000発の核弾頭が保持され、核軍縮に逆行して核への依存が増していることを批判。「核兵器禁止条約は希望の光であり、ただの象徴にとどめておいてはならない」として、核保有国に無条件かつ迅速に核軍縮・廃絶への取り組みを進めるよう訴えました。

 NGOの代表として日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中聰司代表理事が演説。「私たちは人類が核兵器と共存できないことを命ある限り訴え続ける」と語りました。

 メキシコは、2023年の世界の核兵器関連への支出額が10億ドルに達したことに言及。紛争地域への人道支援や気候変動対策をはじめ、「戦争ではなく、人々にもっと投資すべきだ」と核保有国を批判しました。

 オーストリアは、核兵器が環境や人道上破壊的な影響をもたらすと指摘し、「広島・長崎の被爆者の証言は今までに増して、核兵器がただの理論上の脅威ではないことを示している」と述べました。世界の過半数の国が核禁条約に参加していることを歓迎し、「核のない世界をめざす国際的意見は毎年強まり、より安全な未来へと前進している」と強調しました。


pageup