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2025年9月27日(土)

主張

自民党総裁選

行き詰まり極まる5人横並び

 自民党総裁選が告示され、メディアが大々的に報道しています。しかし、立候補した5人は昨年の総裁選で見た顔ばかり。どの候補も参院選で示された国民の審判に向き合わず主張も横並びで、誰が総裁になっても打開の方向を示せない深刻な行き詰まりをあらわにしています。

■党内融和を優先し

 「暮らしの安心を確実に届けることができなかった」―。自民党は参院選大敗の要因をこう総括し、「党を一から作り直す」と表明しました。ところが、総裁選が始まると「解党的出直し」どころか、「党内融和」を優先する発言のオンパレードです。

 自民党が敗因の一つとした「政治とカネ」については、茂木敏充前幹事長が「一度失敗したから二度と駄目という形ではなく、活躍することで国民の負託に応えていく」と述べたのをはじめ、どの候補も「適材適所」と“右へならえ”の無反省ぶりです。

 暮らしの予算を圧迫する大軍拡についても、小泉進次郎農水相が「対GDP(国内総生産)比2%を着実に進める」といえば、小林鷹之元経済安全保障担当相は「抑止力を高めるためには2%では到底足りない」と述べるなど、軍拡を競い合っています。

 物価対策では、消費税減税にみな後ろ向き。高市早苗前経済安保相は食料品の消費税率ゼロを主張していましたが、「党の大勢の意見にはならなかった」とあっさり主張を翻しました。選択的夫婦別姓でも、導入に賛成だった小泉氏が持論を引っ込め、慎重姿勢に転じています。

 “論戦”をしたところで、候補者の主張に違いは、ほとんどありません。総裁選で顔を替えても自民党政治は変わらず、国民との矛盾はますます深まるだけです。

 さらに、右派・保守層を意識して、外国人への憎悪や不安をあおる言動も際立っています。高市氏が「奈良の鹿をけり上げるとんでもない人がいる」と外国人観光客への憎悪を示せば、小林氏は「ルールを守らない一部外国人によって国民の不安が高まっている」と主張。極右・排外主義に対抗するどころかそろって同調しています。

 どの党を取り込めば、自民党政権を延命できるかだけを考え、連立拡大に向けた秋波も送られています。これに乗じて、自民党から連立協議の打診があれば応じる姿勢を示す政党もあり、悪政がさらに加速しかねない危険も生まれています。

■前向き打開の旗を

 しかし、国民が下した審判は明確です。自民、公明の与党は衆参両院で過半数割れしました。国民は自民党政治を終わらせ、新しい政治が生まれることを期待しています。

 国民の願い実現のために政治を前向きに打開する旗をどう立てるか―。このことが各党に鋭く問われています。

 日本共産党は、自公だけでなく、補完勢力や排外主義の勢力とも断固たたかう立場を明らかにし、そのための新しい国民的・民主的共同を呼びかけています。「政治を変えてほしい」という願いに耳を傾け、広範な運動の力を結集してこそ、希望ある政治への道を開くことができます。


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