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2025年9月23日(火)

きょうの潮流

 聖書でも「乳と蜜の流れる土地」とたたえられるほど豊かで肥沃(ひよく)だった地。かつてイギリスの詩人は「世界の中心に位置し、至る所に歓喜と利益とがあふれている」と語りました▼古代から文明の回廊として経済的にも軍事的にも要衝の地だった「パレスチナ」。とくに地中海に面したガザは、アフリカとアジアをつなぐ交易の中継地として繁栄してきた歴史的な場所で遺跡も多い▼「ガザ市は5千年の歴史を持つ都市」。イスラエル軍の地上侵攻で退避した後、ガザ市に帰還したジャーナリストの証言を本紙特派員が伝えています。イスラエルのいう安全地帯のむごさと命に直結する居残る決断を。「私たちを根こそぎ奪うことも、ガザ市を消し去ることも決してできない」▼新たに開始されたジェノサイド(集団殺害)に対し、虐殺を止めよと世界が行動する時。カナダとともにG7で初めてパレスチナを国家として承認したイギリスのスターマー首相は、「今まさにその時がきた」と強調しました▼その中で情けない姿をさらしているのが、イスラエル擁護の米国に追従する日本政府です。岩屋外相は承認の時ではないとして、ジェノサイドの認定についても明言を避けました。さっそくイスラエルの外相が日本に謝意を示しましたが、どんなに恥ずかしいことか▼迫害されればされるほど強まる民族意識や存在意義。あらゆる悲惨や嘆きの地ではなく、パレスチナ、ガザが、人や物が自由に行き交う豊かな地に戻るまで声を上げ続けなければ。


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