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2025年9月22日(月)

ギャンブル依存考える

日英の専門家・自死遺族ら

25日に改正法施行

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(写真)シンポジウムで語り合う田中代表(左から2人目)ら=21日、東京都内

 オンラインカジノによる違法賭博の規制強化などを盛り込んだ「改正ギャンブル等依存症対策基本法」が25日、施行されます。スポーツ選手や芸能人をはじめ、若者たちに深刻な被害を生んでいるオンラインカジノ。日本と英国の専門家、ギャンブル依存症による自死遺族らが21日、東京都内で語り合いました。

 主催は公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」です。

 同会の田中紀子代表は、公営ギャンブルの年間売り上げは20兆円超と10年前の2倍になっていると発言。スマートフォンの普及で「いつでも、どこでも」賭けられる環境の下、違法のオンラインカジノも急速に広がり、依存症、犯罪への加担、自死などの被害が続出していると発言。一方で「ギャンブル依存症は自己責任」という偏見も根強く、ギャンブル事業者には依存症対策も義務づけられていないと問題視しました。

 スポーツ賭博が合法化されている英国の依存症自死遺族会も登壇。20代の息子を依存症による自死で失ったチャールズ・リッチーさんは「ギャンブルは命を奪う可能性がある」という認識を伝え続けた結果、英国政府もギャンブル依存症の調査、研究、対策に乗り出していると話しました。

 国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦医師が「依存症と自殺の関係」、読売新聞の山口寿一社長が「スポーツ界とギャンブル問題」について、それぞれ講演しました。

実効性に課題

 スマホなどからサイトに接続してゲームに賭けるオンラインカジノ。警視庁によると、利用者は約196万人、年間の掛け金は1兆2400億円に上ります。利用者の43%が違法と認識していませんでした。改正法は、▽オンラインカジノのサイトの開設を禁止▽サイトに誘導する広告やSNS投稿などを禁止▽国や自治体がオンラインカジノの違法性の周知に取り組む―ことなどを盛り込んでいます。違反行為への罰則はなく、実効性に課題が指摘されています。(芦川章子)


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