2025年9月22日(月)
自民・萩生田氏「移動選挙事務所」
公共施設に無断で看板
東京・八王子
自民党元政調会長で元文部科学相の萩生田光一衆院議員(衆院東京24区)が2024年10月27日投開票の総選挙で、選挙管理委員会に届け出をせずに、八王子市の公共施設に無断で「はぎうだ光一選挙事務所」の看板を設置していたことが21日、本紙の取材でわかりました。(矢野昌弘)
![]() (写真)八王子市立図書館など公共施設利用者向けの市有地の駐車場に設置された萩生田光一氏の「選挙事務所」の看板=2024年10月16日(読者提供) |
萩生田氏が東京都選挙管理委員会などに提出した書類によると、昨年の総選挙中、萩生田氏は公示日(10月15日)から毎日、「選挙事務所」を移動。このうち複数の家主らが「貸した覚えがない」と本紙に証言し、9件分の「事務所賃料」の支払い記録がないことが判明しています(本紙8月27日付)。
本紙には、萩生田氏の「選挙事務所」看板の目撃情報や写真が複数、寄せられています。そのうち昨年10月16日に「はぎうだ光一選挙事務所」の看板があった現場は、八王子市立図書館や生涯学習センターが入る公共施設の市有地の駐車場(広さ約600平方メートル)でした。ところが、萩生田氏が同日の「選挙事務所」として選管に届け出ているのは、駐車場隣で私有地の「広場」でした。登記簿によると、広場は個人の所有です。
写真では、「選挙事務所」とされた広場から15メートルほど離れた場所に看板があります。交通量のある秋川街道沿いにある駐車場は、広場より人の目にふれます。
![]() (写真)萩生田光一氏が昨年10月16日に「選挙事務所」としていた場所には「ご利用の方以外の駐車は御遠慮ください」といった八王子市の施設駐車場であることを明示する案内が各所に掲示されています(今年8月撮影) |
看板があった駐車場内には、「(公共施設の)ご利用の方以外の駐車は御遠慮ください」という注意書きが複数箇所にあります。総選挙があった当時、駐車場は図書館などの大規模改修のために工事関係者が利用していたといいます。
この公共施設を管理する複数の関係者はいずれも「貸してくれという話もなかった」と本紙に明言しました。関係者の一人は駐車場が八王子市の公共施設だと強調した上で「使用申請の届け出ももらっていないし、届け出がきても公共の場所なので許可するわけがない」と答えました。
公職選挙法143条は、「選挙事務所を表示する」看板やポスターなどの使用を認めています。設置場所は「(選挙事務所の)その場所において」と定めています。総務省選挙課の担当者は「個別の事案について申し上げられないが、看板は社会通念上、合理的に判断される場所に使用されることを要する」としています。
本紙の取材に萩生田氏の事務所は、駐車場入り口に看板を設置したと認めました。そのうえで駐車場と広場が一体だと「勘違いしていた地元支援者が」設置したと釈明しています。










