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2025年9月22日(月)

きょうの潮流

 戦後80年の夏につづき、今月は日露戦争終結から120年でもあります。10年前の日清戦争では主戦論一色だった言論界でしたが、日露戦争の開戦前には、有力な非戦論が現れて論陣を張りました▼キリスト教徒の内村鑑三もその一人。内村も日清戦争の時は「義のための戦争」だと支持しました。ところが戦勝の結果をみて、日清戦争が賠償金や植民地欲しさの「欲のための戦争」だったことを悟り、支持したことを恥じました。そして非戦論に転じたのです▼日露戦争開戦の8カ月前に内村はこう書きました。「余は日露非開戦論者であるばかりでない、戦争絶対廃止論者である。戦争は人を殺すことである。そうして人を殺すことは大罪悪である。そうして大罪悪を犯して、個人も国家も永久に利益をおさめ得ようはずはない」▼しかしロシアの脅威が高まるにつれ主戦論が強まり、非戦論だった「大阪朝日」「万朝報(よろずちょうほう)」も社論を転換。幸徳秋水、堺利彦は「万朝報」を辞め週刊「平民新聞」を創刊し、非戦を訴え続けました▼「平民新聞」創刊号は8千部、各号平均3300部でした。少ないようですが、歴史学者の家永三郎は「反戦平和の主張が数千単位の読者によって支えられるにいたったのは、まさに画期的なできごとであった」と評しました▼「しんぶん赤旗」はいま日刊・日曜版80万部。反戦平和の主張が何十万単位の読者に支えられています。10月からは日曜版電子版も始まります。逆流をはね返し反戦平和の声をさらに大きく。


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