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2025年9月20日(土)

自民総裁選5候補

選択的夫婦別姓 反対か後ろ向き

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 石破茂首相の辞任表明を受けた自民党総裁選に名乗りをあげた5人が、いずれも選択的夫婦別姓の導入に反対または後ろ向きです。昨年の総裁選では導入に前向きな候補もいましたが、今回は反対の候補しかいない自民党総裁選に国民の冷ややかな視線が集まるのは必至です。(矢野昌弘)

 自民党総裁選には、茂木敏充前党幹事長や小泉進次郎農水相、小林鷹之元経済安保相と林芳正官房長官、高市早苗前経済安保相のいずれも衆院議員5人が立候補を表明しています。

 このうち、茂木、小林、林、高市の4氏は、神道政治連盟(神政連)がつくる神政連国会議員懇談会の会員です。神政連のホームページでは、この4人を含め204人の国会議員が「応援しています!」として紹介されています。

 全国の神社を包括する神社本庁に事務所を置く神政連は選択的夫婦別姓制度に反対、パンフレットを作成・配布するなどしています。昨年10月の総選挙では、立候補予定の国会議員らに神政連の推薦を受ける条件として「選択的夫婦別姓」などに反対することを求める「公約書」の提出を求めていました。

 本紙が入手した「公約書」によると、「推薦を受けるにあたり(中略)、貴連盟の活動方針に則(のっと)り、積極的に協力することを公約致します」として、八つの公約が並んでいます。

 その一つが「伝統的な家族制度の崩壊につながりかねない選択的夫婦別氏(姓)制度については、定着している旧姓の通称使用を促して導入に反対し、制度としては同氏制を維持して家族の一体性を大事にするよう努めます」という公約です。

 候補の発言を見ると、通称使用の拡大など、神政連の公約に近い主張が多く、以前は導入に前向きだったのに、今回の総裁選は発言を後退させた候補もいます。

 候補5人の中で小泉農水相だけが神政連国会議員懇談会の会員ではありません。前回総裁選でも、石破首相とともに導入に前向きな発言をしていた小泉氏でした。しかし今回、小泉農水相は「自民が置かれている状況は大変厳しい。大きなことを言うよりもまずは党内がまとまる環境をつくれるかどうかが重要だ」(16日)と選択的夫婦別姓への態度を後退させています。

 また、神政連国会議員懇談会に名を連ねる加藤勝信財務相が選対本部長になるなど、小泉氏も神政連と少なからぬ関係があります。


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