2025年9月18日(木)
蕭三段猛攻しのぐ
囲碁新人王戦 白番中押し勝ち
![]() (写真)対局を振り返る、新人王となった蕭鈺洋三段(左)と張瑞傑六段。右奥は立会人の三村智保九段、左奥は小木曽陽司赤旗編集局長=17日、東京都千代田区の日本棋院 |
囲碁第50期新人王戦の決勝三番勝負第2局は、第1局と先後を入れ替えて、張瑞傑六段の黒番となりました。
白番の蕭鈺洋三段は、第1局を迎えるに当たってすでに、黒番の場合と白番の場合との両方の布石を用意していたといいます。しかし本局では、その用意していた布石を、黒番の張六段によって最初から外されてしまいました。
黒19までは張六段の準備していた予定通りの進行でしたが、蕭三段もよく使う布石で、白20~黒29を蕭三段は「たまたま知っていた」とのこと。一方の張六段はまったく知らない手順で、その後、蕭三段の好判断もあり序盤で6目差ほどと大きく黒がポイントを落としました。
白86では26と3目抜くのがよく、それであれば白が7目ほどリードしていたようです。また、白96と白が譲歩したことで差が縮まりました。
黒はその後もじわじわと追い上げを見せましたが、差が大きく苦しい形勢とみた張六段は黒107から猛攻を仕掛け、白の大石を取りにいきます。しかし、白124が素晴らしいシノギで、以下白140で逆に黒が包囲網に捕まり大損、勝負が決まりました。もし黒が白石を取りにいかなければ2目差ほどの細かい勝負だったようです。
立会人の三村智保九段は「序盤の研究と終盤の難解な死活の読みで蕭三段が上回ったことがポイントです」と本局をまとめました。
局後、優勝を決めた蕭三段は「本当によかったです。仲のいい棋士や家族とご飯に行きたいですが、今日は疲れたので帰りたい」と喜びを語りました。
年齢制限により今期が最後の新人王戦となる張六段は「(優勝できずに)卒業するのは残念。10年以上(新人王戦に)出させてもらい感謝しかない。ほかの棋戦で活躍できるように頑張りたいです」と悔しさをにじませながら語りました。










