2025年9月18日(木)
イスラエル、大規模侵攻
ガザ市民「地獄だ」
南方へ必死に避難「安全な場所ない」
【カイロ=米沢博史】イスラエル軍は16日、ガザ地区最大の都市ガザ市の制圧に向け、激しい空爆、砲撃、ドローン攻撃を加えながら、戦車などで地上部隊が進軍する大規模な地上侵攻を開始しました。中東メディアのアルジャジーラは現地病院の情報として、16日だけでガザ地区で少なくとも106人が殺害され、うち91人以上がガザ市で亡くなったと報じました。1日で住居用ビル17棟が破壊されるなど、住宅に対する激しい攻撃も伝えられています。軍はこの作戦を数週間、続行するとしています
初日106人殺害
タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、ネタニヤフ首相は同日、自身の汚職裁判の法廷で、被告人尋問の欠席を要請する理由として「ガザ市で集中的な作戦を開始した」と発表しました。カッツ国防相もSNSに「ガザは燃えている」と投稿しました。
米ニュースサイトのアクシオスは15日、米国のルビオ国務長官が訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相と会談し、地上作戦を支持したうえで、早期終結を求めたと報じました。
パレスチナ大統領府のルデイネ報道官は16日、「イスラエルが開始した大規模な侵略は危険なエスカレーションであり、人道的破局をさらに悪化させるものだ」と強く非難。「米国は占領を助長するのではなく責任を果たすべきだ」と述べ、「即時停戦、人道支援の搬入、イスラエル軍のガザ撤退こそが必要だ」と強調しました。
パレスチナNGOネットワークのアムジャド・シャワ代表は同日、本紙の電話取材に対し「イスラエルの攻撃は住宅地や避難民の集まる地域を激しく狙っている。何十万人もの人々が生き延びるために必死に南部や中部への逃避を強いられている」と証言。「ガザ地区に安全な場所はなく、食料・医療不足で飢餓も進行している。悲惨な状況がさらに悪化している」と述べました。
ガザ市西部の住宅が爆撃を受け、数十人が犠牲となったザクート一家の親戚ムハンマド・ザミールさんは、電話取材に「占領軍の退避命令に従わなかったから狙われた」と語りました。29人の遺体は発見されたものの、15人以上ががれきの下に取り残されているといいます。ザミールさんは「家にとどまって死ぬか、追放されるかの究極の選択を迫られている」と訴えました。
ガザ市のラシード通りから電話取材に応じた避難民のアシュラフ・ハッカーニさんは、次のように話しました。「私には子どもが5人と年老いた母がいる。母は病気で、子どもたちは飢えでもう動けない。退避する手段もないし、南部で生き残る力もない。これは地獄だ」








