2025年9月14日(日)
弾薬庫17施設に新設費
保管の大半は長射程ミサイル
那覇・岡山で調査へ
![]() (写真)弾薬庫前で建設中止を求めるスタンディング参加者=2024年1月13日、大分市 |
防衛省が安保3文書に基づく弾薬庫の新設を巡り、2026年度予算案の概算要求に、8道府県の計17施設で新設費を盛り込んだことが、本紙の取材で明らかになりました。保管する弾薬の種類は明らかにしていませんが、大半は違憲の敵基地攻撃能力につながる長射程ミサイルです。
同省は26年3月までに健軍駐屯地(熊本市)に射程約1000キロの12式地対艦誘導弾能力向上型を配備する計画。以後、各種長射程ミサイルの配備を加速させる狙いです。
今回新たに海上自衛隊那覇航空基地(那覇市)、陸上自衛隊三軒屋駐屯地(岡山市)に、新設が可能かどうかを検討する調査を行います。那覇航空基地は那覇空港に隣接し、三軒屋駐屯地は住宅や大学の近くに位置しています。
設計を進めていた陸自瀬戸内分屯地(鹿児島瀬戸内町)2棟、えびの駐屯地(宮崎県えびの市)5棟、海上自衛隊呉地方総監部(広島県呉市)1棟、大湊地方総監部(青森県むつ市)4棟の工事費を盛り込みました。
陸自祝園(ほうその)分屯地(京都府精華町)で11棟の工事費と、3棟の設計・調査費を計上。大分分屯地(大分市)2棟の工事費と2棟の設計・調査費を要求しました。
また、沖縄訓練場(沖縄市)5棟や海自舞鶴地方総監部(京都府舞鶴市)2棟の工事費を計上。陸自多田分屯地5棟、近文台分屯地3棟、足寄分屯地2棟の工事費や、沼田分屯地2棟、日高分屯地1棟(いずれも北海道)の調査・設計費を盛り込みました。鹿児島県さつま町での新設について、設計費(棟数未定)を2年連続で計上しました。
政府は、長射程ミサイルの大量取得に伴って、32年度までに大型弾薬庫130棟を新設する方針。大湊や大分、祝園などで着工が進んでいます。しかし、もともと狭い国土の日本で弾薬庫を建設するための用地が絶対的に不足しています。
さらに、各地で弾薬庫建設に反対する市民団体が立ち上がっています。こうした運動を広げることが建設を食い止める力になります。










