しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年9月13日(土)

きょうの潮流

 世界を驚かせたあの宣言の裏には、政治権力と闘うメディアの姿がありました。民主主義とジャーナリズムを守るための▼「非常戒厳を宣布する」。昨年12月3日夜、唐突に戒厳令を出した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は追いつめられていました。大統領夫妻の不正や疑惑を徹底して暴いてきた独立メディアの「ニュース打破(タパ)」によって▼彼らは尹氏が検事総長に就いた頃から選挙不正介入や妻の株価操作の疑惑を追及。尹政権が誕生すると、検察はフェイクニュースを流したとしてニュース打破本部と記者の自宅を家宅捜索し、携帯電話や私的なメールまで調べました▼尹大統領への名誉毀損(きそん)罪で起訴され、与党議員は国会で「死刑に値する反逆者」と激しく攻撃。しかし「ジャーナリズムの原則は権力に屈服しないこと」だと、国家権力による言論弾圧をみずから記録。そのドキュメンタリー映画「非常戒厳前夜」が日本でも公開されています▼彼らはさらなる調査報道と法廷闘争で政権を追いつめ、尹大統領の弾劾罷免、夫妻の逮捕につなげていきました。民主化運動を弾圧するために利用されてきた戒厳令を許さない、と立ち上がった韓国市民とともに▼先の映画の監督でニュース打破の代表を務めた金鎔鎮(キム・ヨンジン)さんは「私たち記者は権力者の情報を丸のみにして流したりしてはならない」と呼びかけました。それは、総裁選を前に、国民からノーを突きつけられた政治や裏金問題に無反省な自民党議員の言動を垂れ流す、日本のメディアにも向けられています。


pageup