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2025年9月13日(土)

国保料値上げ559自治体

今年度 背景に「都道府県化」

共産党政策委調査

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 全国の自治体で、国民健康保険料(税)の値上げが広がっています。日本共産党政策委員会の調査によると、9月10日時点で少なくとも559自治体(市区町村)が今年度、保険料を引き上げたことが判明しました。これは全国1736自治体の32・2%にのぼり、過去2番目に多い値上げ件数(グラフ)です。

 調査では、年収400万円の4人家族の世帯(夫と専業主婦の妻と小学生の子ども2人)をモデルに試算。モデル世帯の平均保険料は、2018年度の約33・79万円から25年度(25年度は料率が判明した1647自治体以外は24年度と同額と仮定)には約40・47万円へと増加しています。単身世帯でも、549自治体(約31・6%)が値上げを実施しています。

 過去の推移を見ると、17年度には270自治体が値上げを行いましたが、18年度には倍以上の559自治体に急増。その後も増減はありつつも、24年度には676自治体が値上げを実施し、過去最多を記録しました。

 背景には、18年度から始まった「国保の都道府県化」があります。従来、市町村ごとに運営していた国民健康保険制度を都道府県単位に集約することで、自治体独自の保険料軽減措置(一般会計からの繰り入れ)を抑制する狙いがありました。政府は「保険料の統一化」を掲げ、標準保険料率の導入や、自治体に医療費削減を促す「保険者努力支援制度」などを通じ、自治体の独自支援を制限し、住民負担を増やしています。

 国民健康保険加入者の約4割は年金生活者などの無職、約3割は非正規労働者やフリーランス、請負労働者などの低所得層が多くを占めています。憲法は「地方自治の本旨」や「条例制定権」を保障しており、自治体が独自に公費を繰り入れることは可能です。


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