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2025年9月13日(土)

対米80兆円投資 国民負担に

参院予算委 日米関税合意で大門議員追及

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(写真)質問する大門実紀史議員=12日、参院予算委

 参院予算委員会は12日、日米関税合意に関する集中審議を行いました。日本共産党の大門実紀史議員は、5500億ドル(約80兆円)に及ぶ日本の対米投資問題で質問し、「日本国民の負担につながる」と追及しました。

 トランプ米大統領は4日、日本との間の貿易交渉合意を履行する大統領令に署名し、赤沢亮正経済再生担当相とラトニック米商務長官は同日、7月の対米投資に関する合意の覚書に署名しました。半導体や重要鉱物、人工知能(AI)などの分野で米大統領が選んだ投資先に資金を拠出するとしました。

 大門氏は、欧州連合(EU)は民間主導の投資である一方、日本は国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)の保証付きなど、公的資金による投資だと指摘し、「国民負担を生じないよう慎重に考えなければならない問題だ」と主張。また、投資先は、日本側が参加できない米国の「投資委員会」が推薦し、大統領が選定する仕組み。日本は投資委員会に先立つ「協議委員会」で意見を述べるとしています。

 大門氏は、関係法令である国際協力銀行法(JBIC法)には、日本にとって利益や採算の見込みがない案件には投資できないとの趣旨が書かれているが、「米国から『将来、日本のメリットになる』などと強引に押しつけられた場合、拒否できないのではないか」と指摘。法に照らして厳しく審査し、米国に言うべきことを言うよう求めました。

 加藤勝信財務相は、JBICの投資は法の規定に沿って行われるべきで「日本政府として必要な主張をしていくのは当然のこと」だと答弁しました。

 80兆円の投資枠を巡り、トランプ大統領はSNS上で、自らの支持基盤であるラストベルト(さびついた地域)の製造業に、日本の資金で数十万人の雇用を増やすと発信しています。

 大門氏は、採算性に関わりなく「トランプ氏が関わる選挙向けに投資される危険性がある」と指摘。そもそも日本からの融資は、米商務省が作ったファンドに振り込まれ、そのファンドが各プロジェクト(SPV=特別目的事業体)に投資・管理する仕組みで、日本は後のチェックができないとして「日本の投資に焦げ付きが出た場合、誰が責任を取るのか」と危険性を指摘しました。


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