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2025年9月12日(金)

主張

臨時国会召集要求

総裁選より国民要求の議論を

 党首の顔をかえる選挙を長々やる時間があったら、早く国会を開いて物価高騰対策を話し合え―多くの国民の怒りではないでしょうか。

 与党過半数割れとなった参院選から1カ月半以上。民意を踏まえた国会審議を行うどころか、自民党は石破茂首相(党総裁)の進退を巡って醜い党内抗争を続けてきました。そのうえ、石破氏の退陣表明を受けた総裁選(10月4日)と党役員人事が終わるまで国会を開こうとしません。党内事情を優先させ、国民生活を蔑(ないがし)ろにするものです。

 これに対し日本共産党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、参政党、日本保守党、有志の会、社会民主党の9党・会派は10日、憲法53条に基づき早期に臨時国会を召集することを求める要求書を衆院に提出。11日には参院にも要求書を出しました。

■過半数が召集要求

 憲法53条は、衆参両院いずれかの4分の1以上の議員の求めがあった場合、内閣は臨時国会の召集を決定しなければならないと定めています。今回の衆院の要求書には、4分の1を大きく上回る総議員の半数を超える239人が名前を連ねました。民意が生み出した変化です。「この開会要求は国会の意思であり、国民の要求」(日本共産党の塩川鉄也国対委員長)です。無視することは許されません。

 自民党は総裁選について、所属国会議員だけでなく、党員の投票も行うので時間がかかり、臨時国会召集は「10月の中旬か10月の20日ぐらい」(石井準一参院国対委員長)などと言います。しかし、しょせん自民党の内部問題です。憲法に基づく臨時国会召集要求の方がはるかに重いのは言うまでもありません。

 要求書は「自由民主党が総裁選挙を行っている間でも、臨時国会を召集し法案等について審議をすることは可能である。国会を開かずに国民生活に直結する多くの問題を放置し続けることは重大な不作為であり、国益を損ねることに他ならない」と指摘しています。石破氏の退陣表明はありましたが、次の首相が決まるまで石破内閣は存在します。石破氏自身、「新しい総裁が選ばれるまでの間、果たすべき責任を着実に果たす」(7日の会見)と述べています。

■たなざらし許すな

 自民党の党内事情で、国民要求の実現がたなざらしにされることは許されません。

 参院選の公約で多くの党が消費税減税を掲げました。その責任を果たすのかどうかが鋭く問われています。賃上げと労働時間の短縮、医療・介護の危機打開に向けた議論も必要です。

 また通常国会からの「宿題」であるガソリン暫定税率の廃止、裏金問題の全容解明、企業・団体献金の禁止、選択的夫婦別姓などの議論を進めるためにも臨時国会を早期に開くべきです。

 自民党総裁選で名乗りをあげた候補者から出るのは、少数与党のもとで政権をどう維持するかの内向きの議論です。早期の臨時国会召集に応じなければ、自民党は民意や憲法より自分の都合を優先させる政党であることを示すことになります。


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