2025年9月12日(金)
一方的賃下げは無効
LCCに1212万円賠償命令
東京地裁
![]() (写真)会見するジェットスターの労働組合と弁護団の人たち=11日、東京都千代田区 |
JALグループの格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパンが、コロナ禍の時期に、労働組合の同意を得ず一方的に客室乗務員の賃金体系を不利益変更した問題で11日、客室乗務員15人が原告となって賃金減額分の損害賠償を求めた裁判の判決が、東京地裁で出されました。中野哲美裁判長は、同社の労働条件変更は無効だとして、合計1212万4449円の支払いを命じました。
ジェットスターは2020年5月、毎月定額だった客室サービスマネジャー(CSM)手当(月額7万5000円)を勤務実績で減額されるよう変更。21年4月には、就業規則の改定で賃金体系を変え、裁判所の認定では賃金減額率が原告のなかで最大10・83%、平均6・1%となりました。
新賃金体系は、コロナ禍から回復しても従来より賃金減額になるもので、労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)は導入に反対し、固定給引き上げなど修正を求めましたが、会社は強行しました。
判決は「賃金減額をすべき高度な必要性があるとは認められず、その内容の相当性も認められない上、労働組合に対する説明は不十分なものである」と認定し、新賃金体系を無効と判断しました。
会見で、竹村和也弁護士は、請求額の95%が認められ、「賃金計算の誤差があったが、内容はすべて認められた」と指摘。JCAの木本薫子委員長は、職場では客室乗務員が賃金減額に同意するよう個別に迫られたとして、「原告は賃金だけでなく、空の安全にかかわる公正の文化を崩してはならないとの思いで裁判に取り組んだ」と強調しました。8月には、22人が追加提訴していることを明らかにしました。









