2025年9月12日(金)
日米共同訓練を開始
「中国」念頭 最大規模
ミサイル部隊大量動員
米海兵隊と陸上自衛隊による最大規模の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」が11日、始まりました。沖縄・九州を中心に8道県で25日まで実施。「対中国」を念頭に、長射程ミサイルを含む日米のミサイル網を大量動員する危険な訓練です。日米の参加者は、昨年の倍以上の1万9200人で過去最大規模です。
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石垣島(沖縄県石垣市)に、米軍の最新型無人地対艦ミサイル「NMESIS」(ネメシス、海軍・海兵隊艦船阻止システム)と、短距離防空システム「MADIS(マディス)」を初展開。陸自の「12式地対艦誘導弾」とともに戦闘訓練(非実射)を行います。米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)では、長距離巡航ミサイル・トマホークを搭載する発射システム「タイフォン」を初めて展開する対艦戦闘訓練を行います。
日米両政府は、中国を念頭に置いた敵基地攻撃態勢づくりを進めており、今回の訓練はその地ならしとみられます。一方、台湾に近い与那国島(沖縄県与那国町)で当初、米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」の展開を計画していましたが、8月の町長選で基地強化に慎重な上地常夫氏が当選するもとで中止に追い込まれました。
南西諸島の離島を奪取しミサイル攻撃の拠点をつくる「遠征前進基地作戦」(EABO)を専門とする在沖米海兵隊の第12海兵沿岸連隊(12MLR)が石垣や金武ブルービーチ(同県金武町)で訓練を行います。
沖縄本島の勝連分屯地(うるま市)で、陸自が12式地対艦誘導弾を展開。米空軍嘉手納基地(嘉手納町など)では、南西諸島の監視強化のために「無期限配備」されている無人偵察機MQ9を使用します。
那覇市の4自衛隊基地や、石垣、与那国などで患者の治療や移送する衛生訓練を実施。戦闘による負傷者を想定しています。
九州で日米訓練激化
レゾリュート・ドラゴン オスプレイ輸送
九州では日米オスプレイが共同で人員や物資、負傷者を輸送する訓練を大分県の日出生台(ひじゅうだい)、十文字原両演習場、熊本県の健軍駐屯地、高遊原(たかゆうばる)分屯地、大矢野原演習場で実施します。鹿児島県の海自鹿屋基地をオスプレイの給油・整備拠点とし、計11機を展開します。
陸自のV22オスプレイが8月に佐賀駐屯地に配備されて以降、共同訓練に参加するのは初めて。陸自オスプレイは“自衛隊版海兵隊”と呼ばれる水陸機動団(長崎県佐世保市)の輸送が主な任務。中国を念頭に、南西諸島に部隊や武器などを日米共同で輸送する体制づくりを進めています。
また日出生台演習場では、陸自の長射程ミサイル「12式地対艦誘導弾」の射撃訓練を実施。同兵器の射程を約1000キロに延ばし、敵基地攻撃兵器として活用する「能力向上型」を今年度中に陸自健軍駐屯地で先行配備する計画です。
奄美大島では、陸自奄美駐屯地(鹿児島県奄美市)で米海兵隊オスプレイの離着陸訓練、陸自瀬戸内分屯地(同県瀬戸内町)で12式地対艦誘導弾の展開訓練を実施します。徳之島(同県徳之島町など)では米軍のALPV(半潜水型無人艇)による物資輸送訓練などを行います。









