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2025年9月10日(水)

自民総裁選

解決不可能 四つの矛盾

 石破茂首相(自民党総裁)の退陣表明を受け、各メディアが「総裁選レース号砲」「ポスト石破争い」などと同党総裁選を巡る動きを大々的に報じています。しかし、総裁選候補として取り沙汰される人物は、昨年の総裁選と同じ顔ぶれで、アメリカ言いなり、財界・大企業中心の行き詰まった古い自民党政治を加速させてきた面々です。誰が総裁になろうと、参院選で国民から拒否された同党の政治姿勢と政治路線は変えようがありません。


 総裁選候補には、出馬を表明ずみの茂木敏充前幹事長のほか、林芳正官房長官、小泉進次郎農林水産相、高市早苗前経済安全保障担当相、小林鷹之元経済安保相の名前が挙がっています。しかし、自民党は国民との間に解決不可能な矛盾を抱えており、総裁選を延々と繰り広げても、これらの矛盾に対する答えを出す条件は全くありません。

裏金事件に無反省

 矛盾の一つが裏金事件への無反省です。昨年の総裁選候補は全員、裏金事件の真相解明に向けた再調査を拒否。自民党は参院選総括で裏金事件は「自民党に対する不信の底流」だとしながら、真相解明への姿勢もなく、金権腐敗政治の大本にある企業・団体献金の禁止にも背を向け続けています。共同通信が6、7両日行った世論調査では、自民党の参院選総括では「信頼回復はできない」が82・7%にのぼっています。

物価高対策示せず

 二つ目の矛盾は、物価高のもとで暮らしを守る方策を示せないことです。共同の調査では、自民、公明両党が参院選で物価高対策として掲げた国民一律2万円支給について「現金給付を取り下げ、減税など別の対策にするべきだ」が70・6%にのぼりました。

 しかし自民党は、国民が望む消費税減税を拒み続けています。林、小泉両氏は消費税を守り抜くとした石破政権の中枢にいました。財界・大企業から献金を受け、法人税を減税し消費税を増税してきた財界・大企業の利益優先の同党では国民の期待に応えることはできません。なにより参院選から50日間も経済対策を打つ時間があったのに、醜い権力闘争に明け暮れ、時間を浪費し続けてきたのが自民党です。

米言いなり大軍拡

 三つ目がアメリカ言いなりの大軍拡です。自民党政権は、軍事費を膨張させ、長射程ミサイル配備による軍事要塞(ようさい)化など、米国追随の「戦争国家づくり」を進め、国民の平和と暮らしを危険にさらしています。昨年の総裁選でも小泉氏は日米同盟強化や軍事費2倍化を強調し、高市氏は米国の核兵器を共同運用する「核共有」の議論にも言及するなど、大軍拡・軍事同盟強化を大合唱していました。

極右・排外主義に

 四つ目は、参院選であおり立てられた極右・排外主義の潮流に自民党がどう対応するのかという問題です。同党も「外国人の保険適用のあり方など検討を行う」などと公約し、石破政権は外国人の犯罪などへの対処を目的とした「外国人との秩序ある共生社会推進室」を設置しました。高市氏は、過去の侵略戦争を正当化し美化する靖国神社を首相就任後も参拝すると表明するなど、極右的な主張を繰り返しています。

 自民党は、どの問題でも打開の方策を示せず深刻な矛盾に陥っています。出口のない状況を打開するために、“新しい国民的・民主的共同”を広げ、自民党政治を終わらせるしかありません。


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