2025年9月9日(火)
墜落原因の部品交換 26年以降
オスプレイ欠陥放置
![]() (写真)横田基地上空を飛行するCV22オスプレイの「12―0066」番機。同機は7月、東北地方で相次いで緊急着陸した=3月7日(羽村平和委員会提供) |
2023年11月、米空軍横田基地(東京都福生市など)所属の特殊作戦機CV22オスプレイが鹿児島県屋久島沖で墜落し、乗組員8人全員が死亡しました。米軍は事故の原因となった部品の交換を今夏に予定していましたが、26年以降にずれ込む見通しであることが分かりました。
11日から始まる大規模共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」では、各地で米海兵隊のMV22オスプレイが陸上自衛隊のV22オスプレイなどと訓練を展開します。国民を守る「抑止力・対処力」強化のためといいながら、国民の生命・財産を危険にさらす事態です。
CV22墜落に関し、米空軍が昨年8月に公表した調査報告書によれば、左側プロペラに動力を伝えるプロップ・ローター・ギアボックス(PRGB)が飛行中に破断し、動力が伝わらなくなったことが事故の主要な原因だと指摘。これを受け、米軍は新たなPRGBを開発し、交換するとしていました。その上で、当面は30分以内に進路変更(ダイバート)が可能な飛行経路を飛ぶという運用制限を条件に昨年3月、全世界で飛行再開を強行。日本政府も容認しました。
しかし、米軍事専門誌「ブレイキング・ディフェンス」電子版によれば、オスプレイの開発責任者である米海兵隊のハースト大佐(V22統合計画室長)は今年4月、ワシントンで開かれた会合で、新たなPRGBの納入は26年1月になると指摘。その上で、同年末までに「無制限の運用」を可能にすることを目標にしていると明らかにしました。つまり、少なくとも来年中まで、PRGBが破断するリスクを抱えたまま飛行を続けることになります。国内でのオスプレイの飛行を容認する政府の責任も問われます。
横田基地のCV22は昨年7月に飛行を再開。今年8月には小川原湖(青森県東北町)での救難訓練を2年ぶりに強行しました。一方、7月に大館能代空港(秋田県)、花巻空港(岩手県)で相次いで緊急着陸したCV22は横田所属の同一機体だったことが明らかになっています。









