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2025年9月7日(日)

自民にくさび打ち込む「赤旗」

混迷続く「石破おろし」

政治部長 中祖寅一

 自民党内で総裁選の前倒しを求める「石破おろし」の動きが混迷を続けています。参院選から1カ月半が経つもと、いまだに続く泥沼の権力闘争。「政治空白」が続き、物価高に苦しむ国民は放置されたままです。続投か石破おろしか―不毛な党内抗争に“いつまでやっているんだ”と国民のいらだちが広がっています。

 衆参での自公過半数割れの責任を問う声に対し、石破茂首相は一貫して「続投」の意思を示し続けています。首相とその周辺が「強気」を維持する背景にはメディアの世論調査での「辞める必要はない」という“国民の声”があります。世論の背景には、裏金にまみれた旧安倍派をはじめ、いまだ派閥を維持する麻生派など「守旧派」が「石破おろし」を仕掛けることへの反発があります。

 党内で臨時総裁選実施(事実上の首相リコール)を要求する動きが出たのに対し、党の総裁選挙管理委員会が「記名」による書面提出を求め、氏名を「公表」すると決めました。これが心理的に強いハードルになると予想され、8月末の石破氏辞任不要の世論の高まりも受け、当初は臨時総裁選実施に必要な議員と都道府県連の合計342の過半数の172には達しないと見られていました。

怪情報飛び交う

 ところが8日の書面提出期限を目前に形勢が変わり、実施を求める声が勢いを増しています。2日の両院議員総会で石破首相が「地位に恋々としない」としながら退陣の時期を明確にしなかったことへの反発が広がったためです。

 これに対し首相サイドは「もし臨時総裁選となれば解散に打って出る」とけん制。これには「党内に大きな亀裂をつくったまま選挙を脅しにつかうのか」と批判が広がっています。

 一方、仮に臨時総裁選で選出された新総裁が首相指名を受ければ、そのときの支持率次第で解散・総選挙となるとの観測も駆け巡ります。しかし「世論に逆らって石破おろしを強行し、長老支配、旧安倍派など裏金議員の復権のもとで選挙をしても惨敗する」との悲観論も出ています。

 国民そっちのけの党内抗争で“怪情報”が飛び交う末期的状態です。「政治空白をつくらないといいながら、いつまで政治空白を続けるのか。自民党の終わりの始まりだ」―メディア関係者からも厳しい声が漏れます。

「不信の底流」に

 そしていま、自民党を貫く亀裂と矛盾の根底に「しんぶん赤旗」と日本共産党による裏金事件の暴露と追及があったことは自民党自身が認めています。

 自民党が2日に明らかにした参院選敗北の総括「国民政党としての再生に向けて」では、裏金事件への対応について次のように明記しました。

 「国民の多くは、引き続き十分に納得していない厳しい現実がある。物価高に苦しむ国民の目には『物価高で生活が苦しい』、『所得が上がらない』状況の中で、『自分たちの政治資金すらまともに管理せず、説明責任も果たさない』と映った」「この問題が引き続き自民党に対する不信の底流となっている」

 裏金問題の「赤旗」の暴露と追及は、「不信の底流」となって自民党に深く突き刺さったくさびとなっているのです。


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