2025年9月6日(土)
きょうの潮流
戦前、絶対的天皇制下の日本。女性に選挙権がなかった時代に、性差別に沈黙することなく生き抜いた女性たち。日本共産党の党員になり戦争をしない平和な社会を求め、貧困をなくしたいと治安維持法による迫害や投獄にも屈せずに▼先月16日放送のTBS報道特集が伝えたのは、そんな女性党員たちの姿とこれを敵視する当時の特高警察(特別高等警察)による容赦のない拷問の実態でした。非人間的な残酷な所業の数々…▼戦前から労働組合で活動してきた小松ときさん。息子の伸哉さんの証言によれば「戦争に反対する立場を持たないと幸せは本当につかめない」との思いがあったと。後に特高に拘束され、殴られたり頭髪を引きずるなどの暴行を受けました▼開業医の手伝いをする中で貧しい人が医療を受けられない現実を知った山田寿子(としこ)さん。1930年、神奈川県で特高に「検挙」されました。戦後に筆圧強めに書いた手記には、「冷酷で女にとって屈辱的な拷問」を「大の男5~6人」から受けたと。性的拷問が詳細に書かれていました▼治安維持法制定から100年。困難な時代の女性党員を、入党の動機にも触れつつ取りあげた番組でした。歴史逆行の潮流が台頭する今日、“法の暴走”という歴史の真実を伝える貴重な労作です▼労働条件や福祉・医療をよくしたい、と現代と変わらない思いで、自分が暮らし働いている場所から、声を上げ圧政に立ち向かっていった彼女たち。その果敢な姿に勇気をもらい胸が熱くなります。








