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2025年9月6日(土)

日米ミサイル網 統合

11日~大規模共同訓練 機密指揮所演習も

沖縄など8都道県 オスプレイも各地で

 米海兵隊と陸上自衛隊による大規模共同訓練「レゾリュート・ドラゴン25」(11~25日)の概要が5日、公表されました。沖縄県など8都道県で実施。長射程ミサイルを含む日米のミサイル網を大量動員し、かつてない危険な訓練が狙われています。参加規模は過去最大の1万9200人で、昨年の8900人から2倍以上になっています。

 沖縄を拠点とする米第3海兵遠征軍は5日の報道発表で、11~17日に「機密指揮所演習」を実施し、「(日米の)指揮統制機能の統合」を推進すると表明。日米両政府は、「台湾有事」など中国を念頭に置いた敵基地攻撃態勢を推進するため、自衛隊を米軍の指揮下に置く「指揮統制機能の向上」を進めています。今回の「機密」演習は、その先取りの可能性があります。

 その上で、▽NMESIS(ネメシス=海軍・海兵隊艦船阻止システム)▽MADIS(マディス=海兵隊防空統合システム)▽タイフォン▽HIMARS(ハイマース=高機動ロケット砲システム)―といった中長距離ミサイル・システムを各地に展開。自衛隊の12式地対艦誘導弾と合わせて「多層的・統合的な火力投射能力を発揮する」としています。

 防衛省が発表した概要は「それぞれの指揮系統に従い」訓練を実施するとしていますが、米軍の概要にそのような文言はありません。日米統合=米軍指揮下の攻撃態勢をつくる狙いは明白です。

 防衛省が発表した概要によれば、海兵隊のMV22オスプレイ、陸自のV22オスプレイが6都道県に展開。なかでも海自鹿屋基地(鹿児島県鹿屋市)には日米合わせて11機のオスプレイが展開します。事故・故障が相次ぐ欠陥機オスプレイの全国展開に、住民の不安が高まっています。

 最新鋭のミサイル・システムNMESISは陸自石垣駐屯地(沖縄県石垣市)、タイフォンは米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に展開。一方、陸自与那国駐屯地(沖縄県与那国町)をめぐり、8月24日の町長選で当選した上地常夫町長が訓練強化に反対。当初、計画されていたハイマース、オスプレイの展開は断念に追い込まれました。

レゾリュート・ドラゴン25で使用される主なミサイル・システム

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NMESIS(海軍・海兵隊遠征艦船阻止システム)。NSM(海軍打撃ミサイル)を搭載。射程約200キロ。石垣駐屯地(沖縄県石垣市)に展開

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ミサイル発射システム・タイフォン。射程1600キロのトマホークを搭載。米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)に展開

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HIMARS(高機動ロケット砲システム)。最大射程300キロ。矢臼別演習場(北海道別海町)に展開

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12式地対艦誘導弾。今年度から射程1000キロ以上の「能力向上型」に。北海道大演習場、日出生台演習場(大分県玖珠町)などに展開


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