2025年9月4日(木)
きょうの潮流
新学期が始まりました。長い休み明けの登校に、不安や心配を抱えている子どもは少なくありません。学校に行くこと自体が重い負担になっている場合も▼普段から、しんどさを感じている10代の7割が、新学期が始まることを「苦しい」と思っている。あるNPO法人の調査でわかりました。人の目が怖い、学校の雰囲気が息苦しい、友達がいない…。さまざまな理由から見えてくるのは、傷ついた子どもたちの姿です▼そんな10代の気持ちを、NHKのハートネットTVが紹介していました。将来のことではなく、今の自分をみてほしい。自分を受けとめてくれる居場所や存在が、すごくほしかった。そこには助けをもとめる心の叫びが次つぎと▼子どもの不登校が急激に増えています。2023年度は小中学生で34万人余、高校生とあわせると41万人余が不登校に。11年連続の増加で過去最多となり、10年前と比べ小学生が5倍、中学生は2倍超に増え、高校生も3年連続の増加です▼文科省は「要因を把握し、きめ細かな支援が必要」だといいますが、国の対策は登校を強制するものになってはいないか。SOSを発した子どもも親も、安心できる環境を整える制度が必要なときに。これまで自民党政治が押しつけてきた過度な競争や管理は教員の健康をもむしばんでいます▼「毎日、死んだように生きている」。高校1年生の悲痛な声です。子どものつらさは社会のあり方にもかかわります。だれもが、ひとりの人として尊重される社会を。








