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2025年9月2日(火)

田村委員長×高校生

知りたい 聞きたい 刺激いっぱい

ヘイト 校則 鉄路 第1次産業

共産党がサマーセミナー

 日本共産党の田村智子委員長と高校生が真剣に政治や社会について語り合った“刺激的な”3時間でした。(仁田桃)


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(写真)セミナー冒頭、自己紹介をかねたあいさつをする田村智子委員長=8月30日、党本部

 8月30日、日本共産党本部で行われた高校生サマーセミナー「田村智子・共産党委員長と話そう 日本と世界と私たちの生き方」には、首都圏をはじめ東北、東海地方から25人の高校生が参加しました。

 高校生が企画に参加した理由はさまざま。「党の綱領や政策に深く共感し、深めたい」など党への関心から申し込んだ人や、「多様な家族のあり方や生き方について田村さんに聞きたい」「同世代の人たちが何を考えているのか気になる」などの理由もありました。

 高校生たちの質問はフリーに出されました。

展望おしえて

 「参院選で、共産党が排外主義とたたかうと表明してくれ私は生き延びられました。ヘイトで社会を分断する声が横行している。ポジティブな展望を聞かせてください」。愛知県の2年生は、排外主義に危機感を持ち、参院選で毎日ヘイトスピーチがネットや街頭で拡散され怖かったと吐露しました。

 田村氏は「人権問題として、日本共産党は差別や分断は許されないと徹底して主張していく。日本にはヘイトスピーチは許されないという法律があります。政党や政治家は、ヘイトスピーチは許されないという立場に立ち、言動に責任を持つべきだと迫っていかなければならない」と答えました。また、この問題の根底には、自民党政治があることも語り、排外主義とたたかう民主的な共同・連帯をつくりたいと表明しました。

 校則の問題で東京都の中学2年生は「靴下の自由化を求めていたのに、実際は“学校指定の靴下じゃなくていいけど、リブ編みで無地で紺色じゃないとダメ”と出されて『それって自由なの?』と感じた。生徒の意見が学校に届いていないと感じる」と発言。他の参加者がいっせいにうなずき、大きな共感が生まれました。

 田村氏は、生徒の変えたいという思いに賛同。国連の子どもの権利条約で、子どもは意見を表明し、それを尊重される権利があることを紹介。「競争教育と管理教育が学校に影響を与えています。学校のなかでも、自分の意見が大切にされたという経験をつむことは、政治や社会にかかわるうえでも大切。みなさんとも、また学校の先生やおとなたちも一緒に、取り組んでいきたい」と話しました。

 神奈川県の3年生は「老朽化や廃線が進む地方の鉄道への政策はありますか」と質問しました。

 田村氏は、民間企業まかせにされてきた鉄道の維持を抜本的に変革し、レールは国の責任で維持し、車体は民間企業が維持するという「上下分離方式」を党が提案していることを紹介し、「日本の国土のグランドデザインとして鉄道を位置づけるよう政府に迫りたい」と答えました。

 埼玉県の3年生は「農業や林業などの授業があり、実習でも第1次産業が弱くなっていると感じます」と発言しました。

 田村氏は、「人間が自然への働きかけ(労働)をして、新たな価値が生まれる、これは『資本論』に書かれていることです。第1次産業は、その最も基幹的な労働で、ここに予算をかけるのは当たり前のこと。ここをおろそかにしてきた政治に対して、農家から『もう自民党じゃだめだ』という声があがっています。第1次産業で働くみなさんが希望を持てる社会にすることが日本共産党の確固とした立場です」と話しました。

学費と核兵器

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(写真)高校生の質問に答える田村智子委員長(右奥)。その左は司会の坂井希青年・学生委員会責任者=8月30日、党本部

 高校生の自己紹介を受けて、田村氏も自己紹介。自らの高校、大学時代を振り返り「自分の原点」として2点を紹介しました。

 一つは、大学1年生のときに学費値上げ問題に直面しました。民青同盟と出合い、日本政府の貧弱な教育予算が背景にあることを学びました。もう一つは、米ソの核開発競争の中、核兵器が増え続けるしかないのかと絶望し、誰かと話したいと思っていたときに大学の民青同盟員や日本共産党員の学生と話すことができたこと。核兵器廃絶を訴えていた日本共産党の存在に目の前が開けたと話しました。「おかしいと思うことには、たたかって変える。そういう道があるんだと学び、20歳で入党しました」と話しました。

 参院選について田村氏は、自民、公明両党を衆院に続き参院でも過半数割れに追い込んだことは大きな意味があると強調し「めげていないし、がっかりしている場合ではないという思いです。国民は自民党がやってきた政治を変えてほしいと願っています。その願いに応える改革の展望=綱領を私たちは持っています」と力強く語りました。

 サマーセミナーを終えて田村氏は「刺激的な時間でした。青年の願いを実現する運動やツールをつくっていきたい。高校生の生の声を聞いて、党を知ってもらう機会をもっと増やしたい」と語りました。

身近な話題 引き寄せられた

 セミナー終了後、高校生たちは四つのグループに分かれ感想を交流しました。そこで出された高校生の言葉は―。

共産党の印象が

 「共産党と言えば悪印象ばかりが先行しているが、民主主義だからこそ共産党があるというスタンスに納得した」「消費税減税の政策を財源も含めて党内できちんと議論していたのが印象に残った」「自分にとって身近な学費や校則の話題もあり、引き寄せられる経験だった」「こういう政治家と若者をつなげる企画は大事だと思う」「国政政党の党首と話す機会なんてめったにないが、実際に対話しないと分からないものがあると実感した」

 平和の問題も話し合いました。ある高校生は「平和であってほしい。ウクライナでの戦争や、イラン情勢、パレスチナでの虐殺を見ているとそう感じる。やはり戦争はダメ」と話しました。

 セミナー企画の一環としておこなった党本部見学も強い印象を残していました。「資料室に太平洋戦争開戦日以降の大手新聞があるのはすごいと思った。ここに報道機関としての『赤旗』の信ぴょう性があると感じた。本部の電力を再生可能エネルギーでまかなっていると聞いた。率先して実行しているのはかっこいい」「資料室から日本共産党の知性を感じた。議員が軽々しいことを言わず、事実に基づいてやっていくという姿勢が感じられた」「ジェンダーフリートイレをつくっていると聞いて感心した」などの感想が寄せられました。

差別反対いいね

 参加者の一人は「誰もが自分らしく生きられる社会がいい。友人に外国ルーツの人がおり、自分自身もそういう多国籍な場にいるからこそ隣人が苦しい思いをする社会は違うと思う。排外主義をあおるような情勢があるもとで、差別に反対する共産党は支持できる」と話しました。(大氣凜也)

参加者の感想

 当日寄せられた感想文を紹介します。

身近に政治が

 「身近なところに政治が絡んでいるのだと思いました。私たちが問題を知ろうとしないとこの先、自民党や与党を野放しにさせてしまう。今回のような集まりで、政治に興味を持ってもらうのは大切だと思いました」(埼玉・高2)

経済的政策持つ

 「これまで他党に注目していて、あまり今まで触れてこなかった共産党の考え、立場をわかりやすく学ぶことができた。ただ単に資本主義を批判しているのではなく、どんな問題にも経済的な政策を持っている党だと気づき、なるほどと思った」(東京・高3)

すっきりした

 「参院選で党の政策に深く共感したため参加しました。ホームページで政策を見るだけでは詳しく分からなかった点が分かり、すっきりしました」(神奈川・高3)

もっと知りたい

 「同世代の人がたくさんいる中で社会や政治について聞き、全然知らない言葉も出てきて驚きが大きかった。日本共産党が目指す社会についてもっと詳しく知りたい」(千葉・高1)

話し合い大事

 「もっと学校の友だちとこういう話がしたいし、政治家に質問もしたい。話し合いや対話が大事だと思いました」(埼玉・高3)


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