2025年9月2日(火)
きょうの潮流
「もう災害はこりごりです」。能登・珠洲市の仮設住宅でくらす男性が話していました。熊本市では浸水した自宅の様子を見つめながら、女性が涙をこぼして。「今は何も考えられません」▼列島各地を襲った8月の大雨。熊本県内では4人が亡くなり、今も1人の行方がわからず。住宅の被害は7千棟をこえ、農林水産業の被害も大きい。くわえて、この酷暑。温暖化が進み、自然災害はますます猛威を振るっています▼大雨や台風は今月も。より強く、より広域に、より長期化する台風に備え、行政レベルで対応をしていく必要がある―。東大大気海洋研究所の佐藤正樹教授が本紙で語っていました▼地球温暖化は「もう起こってしまった」との認識が必要で「ニュー・ノーマル(新しい日常)」の時代に移行していると。たしかに経験したことのない、予想をこえた異常気象が次々と襲ってきています▼防災の日、政府は巨大地震を想定した訓練を実施。林官房長官は「人命・人権最優先の防災立国の実現が急務だ」とのべました。しかし、災害が相次いだ能登を見ても復興は遅れ、生業(なりわい)の再建もこれからなのに支援さえ打ち切る。一方で、軍事費には過去最大8・8兆円もの予算をつけようとしています▼熊本の大雨では、こんな涙も。浸水被害をうけた男性が「いろんな人に助けてもらって…」と目頭を押さえていました。被災地では、住民同士やボランティアによる助け合いの姿があちこちで。国の冷たさ、情けなさがいっそう募ります。








