2025年9月1日(月)
軍事ローン16兆円超
戦争推進の反省どこへ
過去最大更新
防衛省の2026年度予算案の概算要求で、支払いが翌年度以降になる軍事ローン「後年度負担」の総額が前年度から約5000億円増え、16兆1632億円に上ったことが同省への取材で分かりました。軍事費全体(約8・8兆円)の1・8倍にも上ります。
後年度負担は米国製の高額兵器や米軍基地建設、大量のミサイルなど、単年度では支払えない支出に対応するためのもの。安保3文書に基づく軍事費2倍化が始まった23年度から急増しています。
内訳は、▽26年度の契約に基づき27年度以降に支払う「新規後年度負担」が6兆7377億円▽25年度以前の契約に基づき27年度以降に支払う「既定分の後年度負担」が9兆4255億円―です。新規分は約1500億円減り、既定分は6580億円増えました。23年度以降は「新規分」が急増しており、6兆~7兆円台で高止まりしています。
後年度負担は、次年度以降の防衛省予算に、ローンの返済分である「歳出化経費」として計上され、原則5年以内に支払われます。防衛省予算は(1)人件・糧食費(2)歳出化経費(3)物件費―の3費目で構成されていますが、(2)の歳出化経費が最も多く、26年度概算要求では総額約8・8兆円のうち半分以上の約4・5兆円を占めています。軍事ローンの拡大は、将来にわたって軍事費を増やし続けるという悪循環をもたらします。
さまざまな例外規定はありますが、軍事費を特別扱いして侵略戦争に突き進んだ反省から、政府は国会が毎年予算の歳入と歳出を決める「単年度主義」をとっています。軍事ローンの歴史の教訓を踏みにじるものです。予算の単年度主義は憲法第86条にも定められています。望んでもいない軍拡で、将来の国民に借金を背負わせることは許されません。
![]() |









