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2025年8月30日(土)

敵基地攻撃ミサイル 全国配備

熊本先行 6道県に

計画第一弾 地元説明なし

防衛省が発表

 防衛省は29日、国産の長射程ミサイルの配備計画を発表しました。今年度中に陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)に「12式地対艦誘導弾」の能力向上型を配備するのを皮切りに、全国6道県に配備を開始します。2022年に閣議決定された「安保3文書」に基づく、違憲の敵基地攻撃能力配備の具体化です。


地図

 配備先となる地元にいっさい説明がなく、反発が広がることは必至です。

 「12式地対艦誘導弾」の能力向上型は、射程1000キロ以上。25年度と26年度に分けて車両型の発射機から打ち出す「地発型」を健軍駐屯地の第5地対艦ミサイル連隊に、27年度には富士駐屯地(静岡県小山町)の特科教導隊に配備されます。

 また、艦船や戦闘機から打ち出す「艦発型」と「空発型」の運用開始を28年度以降から27年度に前倒しし、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を母港とする護衛艦「てるづき」、航空自衛隊百里基地(茨城県小美玉市)に配備予定のF2戦闘機で運用します。

 高速で変則軌道を描いて飛び、射程が2000~3000キロに及ぶ「島嶼(とうしょ)防衛用高速滑空弾」の配備にも着手。今年度中に富士駐屯地の特科教導隊に配備した上で、26年度に、上富良野駐屯地(北海道上富良野町)と、えびの駐屯地(宮崎県えびの市)に同滑空弾を運用する部隊を新編・配備します。

 同滑空弾は、今年の6~8月に米国で最終の発射実験を実施し、完了しています。

 今回発表された配備計画は第1段階であり、今後、さらに広がるとみられます。これらのミサイルを保管する弾薬庫は最優先の攻撃目標となり、不安と反発が広がります。

配備中止を要請

政府に「熊本ネット」

 労働組合や民主団体などでつくる「いのちとくらし・平和を守る熊本ネットワーク」は29日、国会内で、熊本市への配備が計画されている「12式地対艦誘導弾能力向上型」を巡り、政府に配備中止を要請しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員が同席しました。

 参加者は、周囲が市街地の陸上自衛隊健軍駐屯地(熊本市)へのミサイル配備は、学校、病院、住宅地などの環境安全が脅かされ、ジュネーブ条約の軍民分離原則に反すると指摘。詳細な配備計画の説明や、地域住民への説明会を求めるとともに、配備そのものを中止するよう要求しました。


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