2025年8月29日(金)
戦争法審議文書巡る国賠訴訟
客観性無視した証拠集め
東京高裁で原告側指摘
日本共産党が2015年の戦争法(安保法制)をめぐる国会審議で提示した防衛省の文書を“漏えい”したと疑われた現職の陸上自衛官のAさん=3等陸佐=が、不当な取り調べを受けたとして国に損害賠償を求めた裁判の控訴審が28日、東京高裁(水野有子裁判長)でありました。
国会で文書の存在が発覚した直後から、Aさんは陸自の中央警務隊から「行政府の長(当時の安倍晋三首相のこと)が激怒している」などといわれ、無理な姿勢での取り調べやポリグラフ検査、自宅への家宅捜索を受けました。
こうした捜査にもかかわらずAさんは不起訴(嫌疑不十分)となっています。自衛隊内でも処分されることもなかったAさんですが、ほとんど仕事がない部署に異動させられた状態が今も続いています。
一審のさいたま地裁は24年10月にAさんの請求を棄却しています。
28日の控訴審で、原告側は「(官邸などからの)犯人を特定すべき強いプレッシャーがかかっており、違法な捜査がより行われやすい背景があった。通常の刑事事件では考えられない不合理な捜査だった」と指摘。警務隊がパソコンのデータ解析などでAさんを被疑者に絞り込んだとしながら、それを示す客観的証拠を一審で国側は示すことができなかったことや、客観性や手順を無視した証拠集めだったと強調しました。
原告側は「一審で国側の証人が『よくわからない』を連発しており、審理妨害があった」として控訴審での証人尋問を申請しました。これを水野裁判長が却下したため、原告側は裁判官の交代を求める忌避を申し立てました。審理の再開は、申し立ての結果後となります。








