2025年8月29日(金)
第50期囲碁新人王戦
9月1日から決勝三番勝負
絶好調の二人が対決
囲碁の第50期新人王戦(しんぶん赤旗主催)は、準決勝まで終了し、決勝三番勝負は、張瑞傑六段(26)対蕭鈺洋三段(18)の対決となりました。両者の特徴を、本紙観戦記者の中村智佳子さんに寄稿してもらいました。
![]() |
張瑞傑六段は、故・高林拓二七段門下。10代の頃は師匠宅で内弟子生活を送り、勉強していた。共に過ごした兄弟弟子7人のなかに新人王経験者が3人いる。2013年に富士田明彦三段(現八段)、15年に許家元三段(現九段)、21年に外柳是聞三段(現五段)が新人王になった。兄弟子に続くことができるか。
張六段は新人王戦ではベテランとなっている。入段は2014年、その年は予選の1回戦で敗れたが翌年の第41期は初めて本戦に入り、1回戦を突破した。以後、毎年本戦に連続出場。あと1勝で決勝三番勝負というベスト4は2回あり、第43期は広瀬優一二段(その後、新人王に。現七段)、第48期は姚智騰六段に敗れた。今期、“三度目の正直”で決勝三番勝負進出を決めた。
蕭鈺洋三段は、洪清泉四段門下。洪道場で仲間と切磋琢磨(せっさたくま)してきた。洪道場出身の新人王は3人。2014年の一力遼七段(現棋聖)、17年の芝野虎丸七段(現十段)、昨年の三浦太郎三段(現四段)。2歳年上の三浦新人王に続き、道場生の連覇がかかっている。
蕭三段は前期が本戦初出場。優勝候補の福岡航太朗五段(現七段)、藤沢里菜女流本因坊を連破してベスト4に進出し、台風の目となった。準決勝で三浦三段に敗れたが、今期は一つ上のステージに。本戦出場2回目にして、決勝三番勝負に進出した。
今年は両者ともに絶好調。張六段は19勝7敗、棋聖戦Cリーグに入って2勝1敗、また元棋聖の小林覚九段にも勝利を収めた。
蕭三段は23勝4敗、勝率は8割5分を超え、元名人の2人、依田紀基九段、高尾紳路九段に勝っている。
張六段と蕭三段は、2年前に1局対戦し、そのときは張六段が勝っている。
張六段は準決勝で勝利を収めた後に、「今日で終わるかと。新人王戦は最後の年なので、決勝三番勝負は悔いのないように打ちたい」と語った。
蕭三段は「今年に入った頃から研究会をやめて、ひとりでネット碁を打つ勉強方法に変えました。手合日以外の平日は日本棋院東京本院で、土日は洪道場で打っています」と語る。勉強方法を変えたことが好成績につながっているのかもしれない。
落ち着いた棋風の張六段と、早見え、早打ちの蕭三段。9月1日の決勝三番勝負の開幕が楽しみである。
![]() |
ラストチャンスのベテラン
張瑞傑(ちょう・ずいけつ)六段
1999年1月16日生まれ。台湾出身。故高林拓二七段門下。2014年入段。23年六段昇段。
![]() |
2回目本戦出場の新鋭
蕭鈺洋(しょう・ぎょくよう)三段
2006年9月17日。台湾出身。洪清泉四段門下。23年度入段(夏季)。25年三段昇段。
決勝三番勝負の日程
第1局 9月1日(月)
第2局 9月17日(水)
第3局 9月30日(火)
いずれも対局場所は日本棋院東京本院。(対局開始は午前10時)











