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2025年8月29日(金)

米ミサイル発射装置展開

山口・岩国で来月共同訓練

 防衛省中国四国防衛局は28日、山口県岩国市に対し、米軍がミサイル発射装置「タイフォン」を米海兵隊岩国基地で展開すると伝えました。米軍機で輸送されます。展開は、中国との武力衝突などを想定した陸上自衛隊と米海兵隊による最大規模の実動訓練「レゾリュート・ドラゴン」(9月11~25日)の一環です。タイフォンの展開は国内で初めて。米陸軍第3多領域任務部隊(MDTF)が運用します。

 タイフォンは、敵基地攻撃が可能な長距離巡航ミサイル・トマホークや、対空迎撃ミサイル・SM6を運用する車両搭載型のミサイル発射装置です。指揮統制システムと発射機4台で構成され、1台につき4発、計16発を搭載します。

 同防衛局の深和岳人局長は、防衛省が保有を進めている「スタンド・オフ防衛能力」(敵基地攻撃能力)と相まって、タイフォンを展開させることで「米国の同種のミサイル機動展開能力を向上させることになる」と述べました。

 また、タイフォンは今回の訓練終了後に撤収され、日本への恒常的な配備については「現時点では検討されていない」とする一方、「今回の展開訓練以外に現段階で何ら決まっていない」として、岩国や国内の他の基地への再展開を否定しませんでした。

 中国は昨年、タイフォンのフィリピンへの配備を巡り、「核弾頭を搭載できる戦略的かつ攻撃的な兵器」だと非難しました。これに関して深和局長は、タイフォンは「核弾頭を搭載したミサイルを運用する能力を有しないと承知している」と説明しました。

 ただ、米国防総省は退役した「核トマホーク」の後継ミサイル開発に着手しており、今後の動向を注視する必要があります。


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