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2025年8月28日(木)

日本の実質GDP 米関税で0.4ポイント低下

 トランプ関税が日米合意(7月23日)に沿って適用された場合に、2025年度の日本の実質GDP(国内総生産)成長率はトランプ関税がなかった場合と比較して0・4ポイント低下するとの試算を、帝国データバンクが20日に発表しました。日本全体の企業の経常利益の伸び率は1・7ポイント下落し、倒産件数は2・6ポイント(約260件)増加すると見込んでいます。

 帝国データの試算によると、トランプ関税によって輸出の伸び率は1・3ポイント低下します。特に大きな影響を受けるのは、24年の日本の対米輸出額(21兆2948億円)の34・1%を占める自動車・同部分品です。9月中旬以降に関税率が15%へ引き下げられたとしても、トランプ関税以前の関税率2・5%からは大幅に上昇し、「裾野が広い自動車関連への高水準な関税は輸出全体を押し下げる最大の要因」となります。

 輸出の伸び率低下は民間企業設備投資の伸び率を0・2ポイント低下させます。輸出や設備投資に対する影響は民間法人企業所得(会計上の経常利益に相当)にも影響します。経常利益の伸び率は1・7ポイント低下し、5年ぶりに減少へ転じる可能性があります。

 こうした状況は労働者の所得にマイナスへ働き、個人消費を下押しします。民間最終消費支出の伸び率は0・2ポイント低下する見込みです。国内で実質賃金の減少傾向が続くなか、個人消費の伸び悩みは日本経済にとってマイナス材料となります。このため25年度の倒産件数は2・6ポイント(264件)上振れする見込みだといいます。

 帝国データは「(中小企業は)直接的に海外取引を行っていなくてもさまざまな経路を通じて影響を受ける」ので「政府はこうした影響を緩和する対応策を効果的に実行する」べきだと主張しています。


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