2025年8月28日(木)
きょうの潮流
この夏、ノルウェーの首都オスロにある博物館、ノーベル平和センターを訪れました。そこでノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)を特集する展示会が開かれていました▼アニメ「はだしのゲン」の映像が流れ、日本被団協の活動をていねいに紹介。被爆者の証言ビデオを親子が熱心に聞き入っていました。対話の力で核廃絶につなげようという呼びかけも▼今月、この賞をめぐり驚きの報道がありました。トランプ米大統領がノルウェーの大臣にノーベル平和賞をおねだりしたというのです。同大統領は「私には受賞の資格がある」と発言しています▼開いた口がふさがらぬ。トランプ大統領は6月、米国によるイランの核施設に対する攻撃を、広島・長崎への原爆投下になぞらえて正当化。被爆者や被災地の感情を逆なでしました▼ノーベル平和センターは受賞者の経験や理念をもとに「良い対話のための8原則」を掲げます。「(相手に)耳を傾けよう」「すべての人が経験を共有できるようにする」など。被団協でいえば、世界中で被爆体験と実相を伝えてきました。核兵器禁止条約の発効をめざし、すべての国の参加を求める1370万人の署名を集め、そこには無数の対話があったでしょう▼センター前には南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の言葉も飾られていました。「最良の武器は、座って話すことだ」。異なる者を排除し、力で脅しながら利を得る米大統領の姿勢とは、きわめて対照的に。








