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2025年8月28日(木)

長生炭鉱「人骨」の鑑定

日本政府の対応は急務

 戦時中に水没した山口県宇部市の長生(ちょうせい)炭鉱の坑道で25、26日に収容された複数の骨について、県警は27日、いずれも人の骨と判明したと発表しました。事故犠牲者の遺骨である可能性が高く、身元の確認や遺族への返還など日本政府の対応が急がれます。

 長生炭鉱では、強制動員された朝鮮人労働者を含む183人が犠牲になった水没事故について、市民団体「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」と水中探検家の伊左治佳孝さんによる潜水調査が進められています。

 25、26両日、韓国「テック・コリア」所属ダイバーの2人が沖に突き出ているピーヤ(排気・排水塔)から坑道内の潜水調査を実施。25日には本坑道とみられる水深43メートル付近で3本の骨を、26日には同じ地点で頭蓋骨を発見し、県警が鑑定していました。県警の発表では、25日の3本は左大腿骨(だいたいこつ=太ももの骨)、左上腕骨(じょうわんこつ=肩から肘の骨)、左橈骨(とうこつ=肘から手首の骨)で、26日のものは頭蓋骨と判明しました。

長生炭鉱遺骨を故郷に

 「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表は「警察による鑑定結果が出たことは大きい」と話し、林芳正官房長官が26日の記者会見で「県警の検査を見守る」と発言したことや遺骨収容を「見える遺骨」に限るとしてきた政府の姿勢に触れ、「日本政府が何らかの対応をせざるを得ない状況にきている」と訴えました。「この事故で亡くなった方々は日本の戦争政策の犠牲者であり、朝鮮半島から強制連行された事実からも、(遺骨の収容・返還は)日本政府に責任がある」とし、「韓国のご遺族や政府に対して、まだたくさん眠っているご遺骨をそれぞれの故郷にお返ししようと訴えていきたい。これを機にDNAを提供される方も増えてほしい」と話しました。遺族らから同会に提供されているDNAは、朝鮮人犠牲者28人、日本人犠牲者3人です。

 韓国遺族会の楊玄(ヤン・ヒョン)会長は「炭鉱の構造物であるピーヤで収拾した骨なら、当然80年余り前に水没事故で亡くなった方ですが、それを確認すること自体も申し訳ない限りです。その方々を日本政府が一日も早く収拾して故郷の地で永眠できるようにお願いします」とメッセージを寄せました。

 井上代表からの電話に応じた遺族の常西朝彦さんは「83年前のご遺骨であることがはっきりした。国に対して強く要望を求めることができる」と語りました。


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