しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年8月27日(水)

自民・萩生田議員の賃料

“日替わり事務所” 総移動距離60キロ超

「貸してない」と証言の物件は

 自民党旧安倍派(清和研究会)の幹部、萩生田光一衆院議員が昨年10月の総選挙中、“日替わり”選挙事務所で移動した総距離は60キロ超。移動事務所は前回だけでなく、前々回(2021年)の総選挙でも行われていました。なぜ、選挙事務所を毎日、動かすのでしょうか。


写真

(写真)広い駐車場に設置された萩生田氏の「選挙事務所」の看板=東京都八王子市内、昨年10月(読者提供)

 前々回の総選挙では、萩生田氏が1日だけ選挙事務所としていた「○△店前」。その商店を訪ねると、店主の男性は「貸したよ。市議選でもなんでも選挙ではいつものこと。店の前の駐車場に午前中、テント張って、ここは人通りがあるから、(事務所関係者が)知り合いに声をかけている。賃料なんてもらえるの?」と話します。

 この店の前を走る道路は交通量が多く、萩生田氏が選挙区内のこうした地点を「選挙事務所」としていることが浮かびあがります。駐車場やひろばなども選挙事務所として届けていますが、野外を事務所とする理由は不明です。

目撃情報が続々

 一方で、「選挙事務所」と書かれた大きな看板は有権者の目を引くようです。本紙には、昨年の総選挙中、「選挙事務所」と書かれた看板の“目撃情報”が複数寄せられました。

 公職選挙法では、選挙事務所の移動は1日に1回まで認められており、違法ではありません。選挙事務所には、選挙管理委員会から交付された標札を掲示することになっています。

 本紙は萩生田氏の事務所に今年3月、取材を申し込みました。萩生田事務所は「(『赤旗』の)質問に際して再度確認を行ったところ全ての場所で承諾の確認が取れております」と回答しました。一方で、「家族のお一人から許可を得た場合でも、他のご家族に取材された際には、その方が知らなかったという状況はあり得ること」とも答えました。

 萩生田事務所側が強調したのは「複数の方から『共産党の機関紙が取材に来たので答えなかった』とのお申し出がありました」という説明です。「選挙事務所」の家主らが本紙にウソをついたと言わんばかりの説明です。

「5月確定」が…

 賃料が計上されていないことについては、「近日中に選挙運動費用収支報告書の残金が確定しますので、同時に賃料もしくは寄付相当額がある場合は記載する予定です」と、これから記載するかのような説明でした。「5月には確定する」とも答えていました。

 萩生田氏側の回答は「一般の方々に正確にご理解いただくためにも、こちらの質問状と回答は、当方のSNS等で公開させていただきますのでご了承ください」と結んでいました。

 本紙は6月以降、萩生田氏の「選挙運動費用収支報告書」と領収書を入手。萩生田氏が4月に追加で提出した収支報告書をみると、「事務所の賃料」は昨年10月21日分と同26日分の2件分しか計上されていませんでした。支出が確認できたのは3件分にとどまります。8月に入手した領収書も同様でした。

 しかも、本紙の取材に萩生田氏に選挙事務所を貸していないと証言した不動産屋の物件の賃料は収支報告書に計上されていません。また、昨年10月26日の「選挙事務所」は不動産屋の賃貸物件なのに、支払い先は「自民党八王子総支部」となっていました。

 不可解な賃料の処理について、萩生田氏側の説明責任が問われます。


pageup