2025年8月24日(日)
日韓首脳会談
「関係重視」を強調
韓国大統領 歴史問題言及せず
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が23日、6月の就任後初めて訪日し、首相官邸で石破茂首相と会談しました。
李氏は24日に訪米し、トランプ大統領と会談します。韓国大統領が就任後、米国より先に日本を訪問するのは1965年の日韓国交正常化以来初めて。李氏は会談後の共同記者発表で、「ここまで韓日関係を重視していることを示したものだ」と強調しました。
今回の会談は一時途絶えていた日韓「シャトル外交」再開の第1弾という位置づけです。石破首相は「日韓国交正常化60年の節目での歴史的訪問」だと強調し、「日韓関係を大きく安定的に発展させることで一致した」と述べました。
会談では、日米韓の連携強化、少子高齢化や災害などの共通の課題での事務レベル協議の枠組みを立ち上げ、若者が外国で働きながら長期滞在できる「ワーキングホリデー」制度については、従来の1回限定のビザ(査証)の再取得を互いに認めるなど拡充で合意しました。
一方、共同記者発表では、旧日本軍「慰安婦」や元徴用工問題など、日本の植民地支配に関わる歴史問題や、韓国による日本産水産物の輸入規制には言及しませんでした。両首脳は同日中に共同報道発表を出すことで合意しています。
李氏は共同記者発表で「国益重視の実用外交」「未来志向の共生・協力の関係」を強調。一方、「読売」インタビューで、2015年の「慰安婦」問題合意について、「国民の同意を十分に得られず、被害者も受け入れられなかった点は明確な限界だ」と表明しています。この発言は韓国大統領府も公表しています。
李氏は昨年12月、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(当時)が非常戒厳令を出したことで弾劾訴追・罷免されたことを受けて行われた大統領選で当選しました。
日韓関係・年表
1910年 日韓併合条約により、日本が韓国併合
19年 三一独立運動
45年 日本が無条件降伏、韓国が主権回復
50年~朝鮮戦争
65年 日韓基本条約
98年 日韓共同宣言
2015年 「慰安婦」問題で日韓基本合意
18年 元徴用工訴訟で韓国大法院が日本企業に賠償命令








