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2025年8月15日(金)

生活保護費の引き下げ違法

厚労省は判決受け謝罪を

原告らが専門委設置に抗議

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(写真)「厚労省は謝罪しろ」「一刻も早く違法状態を解消して」と声をあげる原告や弁護士、支援者ら=13日、厚労省前

 国が2013~15年に生活保護費を大幅に引き下げたことを違法だとした最高裁判決から1カ月超がたち、原告と弁護団、支援者らが13日、厚生労働省前で抗議の声を上げました。建物の中では同省が対応を検討する専門委員会の初会合を開催。そこには原告の姿はありませんでした。

 原告らを支援する「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表の稲葉剛さんは、厚労省が専門家9人からなる専門委員会を設置したことに「当事者が入っておらず、傍聴もできない。おかしい」と抗議。「すでに違法状態だとの判決が出ている。これを真摯(しんし)に受け止めるべきだ。(専門委員会設置は)問題の先延ばしでしかなく、最高裁判決を矮小(わいしょう)化しようとしている」と批判しました。

 最高裁判決後、訴訟団などは厚労省に謝罪と減額分の保護費支給など全面解決を求めて何度も要請してきました。稲葉さんは「交渉の場に現れるのは課長以下で、謝罪も行わず、実質的な話し合いもしない。まずは全国の生活保護利用者に謝ってください。そして速やかに差額分を支給すること」だとし、国が「当事者と向き合うまで声をあげ続ける」と訴えました。

 原告のひとり、相模原市のAさん(57)は「違法状態だと結論が出ている。やるべきことは違法状態を解決すべく、一日でも早く差額分を支給することではないか。厚労省と石破首相は責任をとるべきだ」と憤ります。

 神奈川県厚木市の原告、Bさん(42)は「先週、原告の仲間の1人が亡くなりました。減額されなければ、エアコンが買えて、死ななかったかもしれない」と涙ぐみます。「生活保護基準は、就学援助や非課税基準などいくつもの制度と連動するものです。子どもの貧困が叫ばれる中、低いまま放置するのは子どもの命を脅かすもの」だと訴えました。


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