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2025年8月15日(金)

きょうの潮流

 この国の歴史が大きく転換した1945年8月15日。玉音放送で読み上げられた「終戦の詔書」は用紙が削られ、言葉が書き加えられていました▼前日の閣議でポツダム宣言の受諾を決定。詔書案の修正とともに、公布原本の浄書(じょうしょ)が進められます。しかし書き直す時間もなく、異例の対応に。修正された「戦局必スシモ好転セス」は、軍からの強い要請だったといいます▼その原本が国立公文書館で見られます。「終戦―戦争の終わりと戦後の始まり」と題された特別展では、米英への宣戦布告詔書や戦後の治安維持法廃止、財閥解体の実施、女性参政権の実現といった文書の展示も▼敗戦から80年。こうした国や軍の動きから戦争をたどるのではなく、兵士や庶民の目線から実相を語り継ぐ人たちもいます。福岡県小竹町にある日本初の私設の戦争資料館では、実際に兵士が身につけていたものに触れることによって戦場の生々しさを体験できます▼鉄かぶとや銃を持った高校生は、その重さを深く実感できたと感想を語っていました。そして防毒マスクを手に、日本の被害の面ばかりに目を向け、加害の面を知らなかった自分を恥ずかしく情けなく思ったとも▼「あの戦争を本当に知るには加害と被害の両面から検証して教えていかなければならない」。館長の武富慈海さんはそう話します。そのためにも国に翻弄(ほんろう)された人びとが残した物から戦争の真実に気づいてほしいと。終戦から80年の歩み。それは平和を追い求めた足跡でもあるはずです。


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