2025年8月14日(木)
主張
教育のつどい2025
語りつながって声をあげよう
「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2025」(実行委員会主催)が17~19日に埼玉県で開かれます。(一部オンライン併用)
「つどい」では、子ども、保護者、地域の人、教職員が全国からの260本のリポートをもとに対等に語りあい、競争と管理、安あがりの教育をすすめる文部科学省の「教育改革」の問題点、子どもの成長と発達を保障する学校・教育づくりについて研究を深めあいます。
教職員の多忙化や学校統廃合、教育無償化、教科書問題、特別支援や各教科、校則改定、ジェンダー平等、SDGs、福島の復興、学童や児童館の実践も交流され、戦後80年の節目として取り組まれた、高校生の被爆者の思いをつなげる活動なども報告されます。
■教室を安心空間に
国立の奈良教育大学付属小学校から公立学校へ不当に強制出向させられた先生は、自分の傷とも向きあいながら行った実践を報告します。憲法の授業で「じゃあ先生と子どもも平等なんですか?」と子どもたちが驚いたエピソードを紹介し、「教員」や「評価」の権力性を自覚し、教室を安心できる空間にすることはこの国全体の課題ではないかと問題提起します。
また、ある若い先生は、「学校に行きたくない」という子どものつぶやきに「力を振り絞って学校にきている姿」をとらえるなど、子どもの思いを聴くことを大切にする取り組みをリポートします。楽しいイベントや動く活動を多く入れ、「褒めはタイミングが大切」と、がんばりやよかった姿を日々学級通信につづります。
背景には、学習規律を大事にするなかで子どもをしかりつけてしまった「失敗」の苦しみがありました。取り組めたのは、組合や「作文の会」での継続した学びのおかげだと振り返ります。
■不登校を生む環境
不登校の数が10年で3倍に急増するなか、「登校拒否・不登校を考える東京の会」は国連に報告書を出そうと子どもアンケートに取り組みました。不登校でない子も含めて浮かび上がったのは、いじめ問題、「厳しい校則」など規則による統制、「先生の怒る声が怖い」などの威圧的な「指導」や同調圧力、不登校を「問題」視する社会です。
「今の日本は社会から少しでもはみ出した人間を守ろうとしません。自分らしくいる事ができなければ、少しずつ苦しくなり、学校や勉強なんて考えてられません。心に余裕をもてる環境をみんなに作ってあげてください」―アンケートに寄せられた子どもの声、大人への宿題です。
ウクライナやガザの戦争、学問への抑圧、貧困・格差、排外主義がもちこまれるいま、改めてフランスの詩人、ルイ・アラゴンの「教えるとは希望を語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと」の詩が思い起こされます。
分断と孤立を超え、それぞれの思いをもちよって「つながること」で声をあげましょう。平和と人権の基礎である教育を豊かに発展させ未来を切り開くため多くの方の参加で集会を成功させましょう。








