2025年8月10日(日)
「一言でも話したかった」
「被爆体験者」3団体が会見
![]() (写真)「原爆体験者」が描いた絵を見せながら会見する岩永さん(左端)。その右から山内さん、池山さん=9日、長崎市 |
首相と被爆者団体の面談で、国が指定する被爆地域外にいたため被爆者と認められない「被爆体験者」が同席しながら発言の機会が与えられなかったことを受け、「被爆体験者」3団体の代表は9日、長崎市内で記者会見し、「一言でも話したかった。『被爆体験者』の思いを聞かずに悲しい」など批判の声が相次ぎました。
第2次全国被爆体験者協議会の岩永千代子会長(89)は「私も老体で長時間待って疲れたのに何も言えず、この面談は何だったのかという心境だ。悲しい」と述べました。事前に長崎市などを通じて発言の機会を要望し、首相宛ての原稿も用意していたとして「内部被ばくの実態や、『頑張ってください』と言い残して亡くなった体験者の思いを伝えたかった」と涙ながらに語りました。
長崎被爆地域拡大協議会の池山道夫会長(83)は面談で首相が一方的に語ったことについて、「首相が現地に来たからには被爆者と『被爆体験者』の意見を聞くことを優先してほしかった」と批判。福岡資麿厚労相が面談で、長崎の原爆体験者を被爆者と認めない理由に「原爆投下後に雨が降った記録がない」と発言したことにふれ、「失礼な話だ。事実を確認すべきだ」と批判しました。
多長被爆体験者協議会の山内武会長(82)は「石破さんが長々と時間を延長させるように話した。せめて1分ずつでも話したかったが残念だ」と述べました。
本田孝也長崎県保険医協会会長は、昨年水俣病患者の団体との懇談で、環境省がマイクを切って発言をさえぎった問題を挙げ、「『被爆体験者』にマイクを握らせもせず、切る以上にひどい対応だ」などと批判しました。









