2025年8月8日(金)
沖縄 石垣・中山前市長選対本部長側に献金
ゴルフ場開発企業側から300万円
前回市長選中に提供/市有地を無償貸与
沖縄県石垣市の中山義隆前市長が市議会による不信任決議で、7月に自動失職したことを受け、市長選が10日告示、17日投票で行われます。ゴルフ場建設問題が争点になった前回市長選の最中に、中山氏の選対本部長だった自民党県議の政党支部にゴルフ場開発の持ち株企業が300万円を献金していたことが7日、政治資金収支報告書から分かりました。
![]() (写真)ユニマット社がゴルフ場建設を計画している予定地=沖縄県石垣市 |
2022年2月の市長選(中山氏が4期目当選)で争点となったのは、ユニマットプレシャス(東京都)が石垣市に計画しているゴルフリゾート建設です。予定地には市有地23ヘクタールが含まれています。中山前市長は、初当選した15年前の市長選の時からゴルフリゾート建設を公約に掲げ、推進してきました。
この市長選で、中山前市長の選対本部長だったのは自民党の大浜一郎県議です。大浜県議が代表の「自由民主党石垣市支部」の22年分の政治資金収支報告書には、ユニマットプレシャスの持ち株企業、ユニマットホールディングが300万円を寄付していました。
同支部は、ユニマット社を含め26社から計675万円の企業献金を受けています。その中で同社の300万円は突出しています。18~23年の6年間で同社からの献金が記載されているのは22年だけでした。
ユニマット社の献金があったのは22年2月21日です。市長選の投票日は、同月27日で、市長選の最中の献金でした。同支部の支出を見ると、市長選があった2月にのぼりやチラシ、意見広告など市長選関連とみられる約330万円の支出がありました。
同社のゴルフ場計画を推進する中山氏陣営の選挙運動に同社の献金が使われた疑いがあります。
中山市政のもとで同社への市の異常な肩入れが明らかになっています。前回市長選前の21年末、石垣市は同社と協定書を交わしました。市が所有する「石垣市民の森」の一部を同社に無償で提供(貸与)する内容です。
また、同社が第三者から土地を購入した際、実際の面積が登記簿に記載された面積より小さかったことがありました。これに対し、同社は土地の売り主に対応を求めるべき問題を、市に対応を求めました。
ところが市はこれを受け入れる形で市所有の森林約18ヘクタールを同社に事実上「贈与」する手続きを進めました。
献金の経緯などについて本紙は取材を申し込みましたが、中山前市長、ユニマットホールディング、大浜県議のいずれからも7日夕までに回答はありませんでした。
ゴルフ場建設予定地周辺は、国の特別天然記念物で絶滅危惧種のカンムリワシが営巣するなど、環境に配慮が求められる地域です。国内や地元の環境団体は環境への悪影響から懸念の声を上げています。









