2025年8月4日(月)
社会と連帯し学問の自由守る
学者・市民の会 学術会議法成立受けシンポ
![]() (写真)シンポジウムで議論する(左から)吉田、三成、隠岐、小森田、佐藤の各氏=3日、東京・千代田区 |
日本学術会議を特殊法人化し政府の監督下に置く新法の成立を受け、法案の廃案を求めてきた「日本学術会議問題を考える学者・市民の会」は3日、東京都内で緊急シンポジウムを開きました。
学術会議第1部部長の吉田文・早稲田大学教授は、来年10月の新法人への移行に向けた新会員の選考状況などを報告。首相が指定した外部者の意見を聞き、選考委員の人選を進めている段階だとして「今後、会員外の外部の意見が会員選考にどのような影響を及ぼしてくるのか全く分からない」と懸念を示しました。
元学術会議第1部部長の佐藤学・東大名誉教授は、学術会議を政府のシンクタンクではなく科学者の共同体として再建していくことの重要性を提起しました。
同じく元同会議1部部長の小森田秋夫・東大名誉教授は、学術会議の科学的助言の重要性を指摘し、「(助言を巡る)科学者と政府間のやりとりが公開され、社会が観察できる状態が必要だ」と強調しました。
隠岐さや香・東大教授(科学史)は、世界的に科学技術政策の軍事化が進み、学問の自由を圧迫していると報告。対抗するアカデミーの連合体の動きなどに触れ「世界とつながらなければならないという意識は強まっている。科学は人類全体のためのものだと広めるチャンスでもある」と述べました。
元学術会議副会長の三成美保・追手門学院大学教授は「学術会議が自主的な規則で実質的な独立を確保し、政府介入を阻むとりでを作っておくことが必須だ」と指摘しました。









