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2025年8月3日(日)

「核抑止」でリスク上昇

広島で国際シンポ 廃絶の道探る

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(写真)パネルディスカッションで発言する(左から)アレクサンダー・クメント、和田征子、宮本ゆき、倉光静都香の各氏=2日、広島市中区

 広島市などが主催する国際平和シンポジウム「核兵器廃絶への道―戦後80年、未来へつむぐ」が2日、広島市内で開かれました。核兵器禁止条約や核兵器廃絶に尽力しているオーストリアのアレクサンダー・クメント外務省軍縮・軍備管理・不拡散局長は基調講演で、「核抑止力」は不信の連鎖により核リスクを高めていると指摘し、被爆証言と継承が重要だと語りました。

 主催者あいさつで松井一実広島市長は「核抑止力」に依存する為政者に外交政策の転換を求めたいと語りました。

 クメント氏は、高まる核使用のリスクの中で「核抑止」を批判的に検証する必要があると述べました。新たな軍拡競争の動きは、悪化する世界の安全保障環境によって、さらに核依存を強めていると指摘。「核抑止」は不信の連鎖をうみ、核軍拡を加速し、核リスクを高め、核の拡散を促進するものだと語りました。

 パネル討論で日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の和田征子事務局次長は、長崎で母親と被爆した体験を証言。被爆者の平均年齢は86歳になり、被爆90年にどれだけいるかわからないと述べ、新たな被爆者をうまないよう働きかけ続けると語りました。

 米デュポール大学の宮本ゆき教授、米軍備管理協会リサーチアシスタントの倉光静都香さんも報告。カナダ在住の被爆者・サーロー節子さんがメッセージを寄せ、「生きているうちに核兵器を廃絶できるよう世界の皆さんとともに声をあげ続ける」と語りました。


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