2025年8月2日(土)
前川さん無罪確定
福井女子中学生殺人 検察、上告権を放棄
「冤罪、ずっと心の中に」
![]() (写真)会見を行う前川さん(左から3人目)=1日、福井市 |
39年前に起きた福井女子中学生殺人事件の裁判で、名古屋高検は1日、上告権放棄申し立て書を裁判所に提出しました。これで、殺人の罪を着せられ服役しても一貫して無実を訴えてきた前川彰司さん(60)の再審無罪が確定しました。
前川さんは、吉村悟弁護団長ら6人の弁護士、日本国民救援会県本部の岸下淳一事務局長とともに会見を行い、開口一番「よかった」と述べつつも、「一度冤罪(えんざい)のやり玉に挙げられたことは、僕には終わることのないものがある。ずっと心の中で続くのかな」と話しました。
吉村弁護団長は「検察が作り出した、冤罪事件だ」と指摘しました。
再審無罪判決は、警察・検察の不正を断罪しました。捜査に行き詰まった捜査当局が、覚醒剤取引の罪を軽くしてほしい思惑から前川さんを犯人に仕立てる暴力団員の供述に沿って、他の関係者の供述を誘導した不正を指摘。とりわけ、供述と矛盾する重大な事実を隠してやり過ごした検察や、関係者に金銭を渡した警察の行為を厳しく批判しました。
1986年3月19日夜、女子中学生が福井市の自宅で包丁などを凶器に殺害されたこの事件で、前川さんは翌87年に逮捕され、一審は無罪判決となるも二審で覆され、有罪判決が確定します。7年間の服役後、再審開始決定を勝ち取りますが、検察の異議申し立てで取り消しに。再度の請求でついに再審が開かれ、無罪判決が言い渡されました。
警察・検察の不正は第2次再審請求審で開示された287点におよぶ警察の捜査報告メモで判明しました。









